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混同しやすいので注意!内祝いと引き出物はどう違う?

内祝い

身近な人との付き合いを円滑にするためには、最低限知っておきたいマナーがあります。 結婚や出産などでお祝いをもらったときの対処法もその一つですよね。 お祝いをもらったときに「内祝い」を渡すのが一般的ですが、それに似たものとして「引き出物」が存在します。 ここでは、この2つの違いや、それぞれを渡すときのマナーについて解説していきます。
最終更新日:2021年11月5日

結婚内祝い
 
 

引き出物とはどんなときに用意するもの?

引き出物とは、祝宴などへの招待客に持ち帰ってもらう「お礼」であり「お土産」のような意味があり、結婚式を挙げた時に出席者に持ち帰ってもらうものの他にも、新築や七五三などお祝いの場で引き出物を用意することもあります。 これまで家族が親戚などの結婚式に出席したとき、引き出物をもらって帰ったのを見た人も少なくないでしょう。
また、家族が結婚式を挙げたとき、引き出物を用意したのを経験した人もいるかもしれません。
このような理由から、引き出物は意外と身近な存在だと言えます。
しかし、引き出物の意味について改めて問われると、答えに窮する人もいるのではないでしょうか。
引き出物の用意をスムーズに行うためにも、その意味についてきちんと理解しておきましょう。

引き出物は、平安時代、庭先に馬を引き出して贈ったことが言葉の由来ですが、金や銀、太刀など、贈る品は時代とともに大きく変わりました。

引き出物の品選びにも注目されます。
昭和初期の時代までは、地方の婚礼などでは祝宴の料理をお土産として持ち帰るのが主流でした。
料理は本膳以外にも五の膳ぐらいまで用意されますが、招待客は大部分の料理に箸を付けず、折り詰めとして持ち帰ることが当時の慣習とされています。
また、祝宴の出席者に用意した料理やお酒なども、お祝いへのお礼として考えられます。
そのため、現代ではちょっとした記念品や、消費しやすい食べ物や日用品を引き出物として選ぶことが少なくありません。
料理の持ち帰りには衛生面が心配なことも理由の一つと言えるでしょう。

引き出物を用意するときは「数」にも注意が必要です。
こちらは地域によって違いが見られます。
ただし「引き出物」や「引き菓子」を用意する地域は多いようです。
しかし、それらの合計を奇数にするなどのマナーもあります。
また、引き出物と引き菓子の内訳も個々によって異なります。
さらに、贈る相手によって「3つ」や「5つ」などと数を変えるなどの方法も存在するようです。
そのため、引き出物の準備に際しては、両親など身近な人に確認しておきましょう。
ちなみに、引き出物としては、赤飯や鰹節などが知られています。
また、引き菓子でよく見られるのが、紅白まんじゅうや縁起物の和菓子があります。

内祝いもお礼で渡すものだが意味が異なる

慶事のときに贈るものとしては「引き出物」のほかに「内祝い」があります。
そのため、品物の「熨斗(のし)」に書くとき迷う人もいるでしょう。
もし、引き出物と内祝いの意味を理解しないまま渡してしまうと、相手に失礼にもなりかねません。
それを防ぐためにも「内祝い」の意味を把握することが大切です。

内祝いとは、身内で起こったおめでたいことの「おすそ分け」として配るものです。
たとえば、結婚報告や赤ちゃんが生まれたときの報告などがあります。
そのような出来事があったとき、「お知らせ」という形で、普段からお世話になっている人や親族などに品物を渡すのが本来の風習として知られています。
渡す相手として、近隣の人や職場関係者(上司や同僚)などは代表的です。
また、現代でも「内祝い」ではなく「おすそ分け」として品物を渡す人もいます。

内祝いのシーンは結婚や出産時だけではありません。
新築や開店、さらに、快気祝いなど多様化していることを知っておきましょう。
また、本来は「お祝いに対するお返し」ではありませんが、お返しの意味で内祝いという言葉を使うケースも見られます。
そのため、お祝いをもらわなかった人に渡してしまうと、お祝いを催促していると誤解される場合もでてきます。

そうならないためには、内祝いを渡すときは慎重にする必要があります。
また、お返しの意味があるとはいえ、お礼状には「お返し」という表現を使わないように注意しましょう。

内祝いの品物選びをするときは、相場も気になるところです。
こちらも諸説があり、慶事の種類によっても異なります。
もらったお祝いの半額~3分の1程度が一般的ですが、身近な人に相談したうえで決めるとよいでしょう。
また、身内からのお祝いなどは高額になる場合もありますが、無理のない範囲内で金額を決めることが大事なポイントです。
内祝いをするときは、相手に気遣わせないとの配慮も必要です。
十分なお返しができないのが気になるのなら、日を改めてお礼に伺うほか、こまめに連絡するなどして感謝の気持ちを伝えましょう。

結婚式に出席してもらったら内祝いは要らない?

自分たちが主役になるシーンとして結婚式は代表的存在です。
また、結婚式は長い人生の大きな節目にもなるでしょう。
しかし、結婚式のスタイルは時代とともに多様化しています。
出席者の対象範囲や人数はもちろん、結婚式の進め方なども個々によって異なってきます。
そのため、結婚式への出席者に渡す品選びに迷う人もいるのではないでしょうか。
後々、気まずい思いをしないためにも、事前にきちんと確認することが大切です。

まず、結婚式で「ご祝儀」をもらったときは「内祝い」は要らないのが基本的な考え方です。
結婚式の出席者には料理や「引き出物」が用意されますが、それらが出席者へのお礼に該当するからです。
ただし、ご祝儀以外にも結婚祝いの品をもらう場合もあるでしょう。
特に、身内や親しい友人からのお祝いが考えられます。
そのようなケースでは、内祝いを渡したほうが失礼にはなりません。
ちなみに、内祝いの金額の目安として、もらった品の半額~3分の1程度の品を選ぶのが常識の範囲です。
そのうえで、結婚式に出席できない人への対応も考える必要があります。
もし、結婚式の前日までにご祝儀だけもらった場合は、内祝いとして渡すことが大事なポイントです。

引き出物と内祝いを渡すタイミングは?

引き出物は、祝宴への出席者に対して渡すものであり、当日に手渡すことが一般的です。
一方、内祝いの品はお祝いをもらった当日にお返しするのではなく、お祝いをもらってから1週間~1ヶ月程度の間に贈るのが一般的です。

「引き出物」や「内祝い」を渡すためには、それぞれのタイミングを把握することが大切です。
そのためには、引き出物と内祝いの特徴について知っておくと、用意するときの参考にできます。
もし、それらを逆に捉えると大変なことになりますので、きちんと把握しておきたいですね。
これまで結婚式に出席した経験のある人は、何となくわかるのではないでしょうか。
引き出物は、あらかじめ出席者の席に用意されることが多いですよね。
そのため「引き出物」は結婚式からの帰りに持ち帰ってもらうように手配しておきましょう。

一方、「内祝い」の品を用意するタイミングは当日ではありません。
もし、なんらかの事情により遅れる場合でも、2カ月以上経過しないのがマナーだと心得ておきましょう。
もちろん、お祝いをもらったときは、速やかに電話やメールなどでお礼を伝えることが大切です。
そのうえで、内祝いの発送がスムーズにできるように、相手の住所などを整理しておきましょう。
その一つ、出産内祝いは手渡しではなく、発送することが一般的だからです。

結婚後に内祝いを用意する代表的なシーンとして、前述したように赤ちゃんの誕生が挙げられます。
お祝いの品をもらうのは産後1カ月前後が一般的とされています。
しかし、内祝いは急ぐのではなく、お祝いが落ち着いたころに準備するとよいでしょう。
内祝いのタイミングとしてお宮参り後が目安の一つになります。
ただし、母子の健康状態は個々によっても異なるため、それらを考慮しながら無理なく準備するのは言うまでもありません。

子どもがいる家庭で内祝いが必要な場面として、初節句や入学祝いなども考えられるでしょう。
初節句の内祝いは、初節句がある月のうちに渡すのが一般的です。
また、入学祝いをもらったときは、入学式のある4月のうちに内祝いを渡すのがマナーとされています。
入学祝いは早めにもらうこともありますが、内祝いを急がなくても大丈夫です。
しかし、お礼の気持ちはしっかり伝えましょう。
親からだけでなく、子どもからもお礼を言うことが大事なポイントです。
また、入学祝いへの内祝いはしなくてもよいケースもありますが、その場合でも電話や手紙などで感謝の気持ちを伝えるように注意しましょう。

引き出物と内祝いでは「のし」の書き方も違う

「引き出物」や「内祝い」を用意するときは、「のし」の書き方(名入れ)が異なるため注意が必要です。
のしは目立ちやすいものであり、品物のイメージに関与することも少なくありません。
引き出物や内祝いの準備に際しては、のしの書き方に求められる基本を押さえておきましょう。

まず、結婚式の引き出物に使う場合です。
結婚式は両家が行うことから、引き出物ののしには両家の名字を連名で入れることが一般的となっています。
また、引き出物が複数品に及ぶ場合は、新郎新婦の名前を入れる形が少なくありません。
一方「内祝い」は個人で渡す意味合いが強いのが大きな特徴です。
そのため、出産や入学の内祝いを用意するとき、名入れにはお祝いをもらった子どもの名前にすることが知られています。

ただし、入学内祝いの名入れには、子どもの成長を考慮することも大事です。
小学校入学時はともかく、中学や高校などへの入学時は、内祝いは名字のみにすることも少なくないようです。
また、結婚祝いのお礼で内祝いを渡す場合も名入れには注意しましょう。
結婚内祝いの場合、のしの下部(のし下)には引き出物と同じのし下にしがちですが、引き出物の場合、両家の結婚になるので両家の名字を書き記します。
一方、結婚内祝いの場合は、ふたりの名前の連名か、新姓のみを印字するので注意しましょう。
お祝いをもらった相手や経緯などによって使い分けの必要も出てきます。
もし、自分たちと面識のない人から両親がお祝いをもらった場合は、お祝いをもらった両親の姓を使いましょう

引き出物と内祝いの両方を渡すときの注意点は?

結婚式当日のご祝儀とは別にお祝いの品をもらった人へは、「引き出物」のほかに「内祝い」の品も渡します。その場合は、同じ品物にならないようにしましょう。また、引き出物よりも内祝いが安くならないように、それぞれに掛かる金額もしっかりと把握しておきましょう。
結婚式に出席してくれた人には、引き出物だけで問題ありません。
また、結婚式に招待したけれど、残念ながら欠席の場合は、結婚内祝いを贈りましょう。

内祝いを渡すタイミングは、お祝いをもらってから1週間~1カ月程度が目安だとわかりました。
ただし、すべての場合に通じる話ではありません。
結婚内祝いの場合は、結婚式が終わってから渡すのが一般的です。
結婚式までにお祝いの品をもらうケースが多いですが、内祝いの品を渡すのは結婚式が済むまで待ちましょう。
それとは別に、結婚したことを知らなかった人からお祝いをもらうこともでてくるでしょう。
その場合、内祝いは別個に用意することになりますが、可能な限り早く準備することが大切です。

もちろん、内祝いを渡すタイミングなどは地域によっても異なります。
そのため、両親をはじめ、目上の人に相談して行動することが大事です。
内祝いの用意が必要な時期は、新生活のスタートなどで多忙な時期とも重なるため、大変なことも少なくありません。
しかし、お祝いをもらった人の気持ちに応えるためにも、誠意ある行動を心掛けましょう。
お祝いをもらいながら内祝いを忘れてしまうことだけは、絶対に避ける必要があります。
その後の交友関係に悪影響を及ぼすため、うっかりミスでは済まされないことを知っておきましょう。
また、そうならないためには、お祝いのチェックリストを作成したうえで、しっかり確認することをおすすめします。

なお、結婚をするときに、新婚旅行のお小遣いをもらう場合もあるでしょう。
新郎新婦が相手の両親からもらうのは典型的な事例ですよね。
そのようなケースでは、内祝いとして渡すのではなく、新婚旅行先で購入したお土産を渡す方法でも十分です。
渡す人の喜ぶ顔を連想しながら思い出に残る品を選びましょう。

引き出物を出すのはお祝いの席だけではない

引き出物を渡すシーンとして「結婚式」は代表的だとわかりました。
そのため、引き出物には「おめでたい」とのイメージが大きいのではないでしょうか。
一方、引き出物は弔事でも用意されることがあります。
これは、結婚後、親戚付き合いなどが増えるにつれて実感できるでしょう。
しかし、引き出物などの基本を早めに押さえておくことで、実生活に役立つことが少なくありません。

弔事での引き出物は、故人の「一周忌」など、法要への出席者に渡す場合が多いです。
法要での引き出物は、地域によっては「祖供養」「茶の子」などと呼ばれることもあります。
弔事に渡すものとして「香典返し」が知られていますが、こちらは、文字通りもらった香典に対するお返しです。

お通夜やお葬式の日に渡すほか、亡くなってから49日の間にお返しすることが一般的です。

法要の引き出物として、お茶やお菓子類などが知られています。
また、タオルや洗剤、調味料などを準備することも少なくありません。
出席者の荷物にならないように、引き出物の大きさなどにも注意が必要です。
荷物への配慮が必要なことは、結婚式の引き出物を考えるときにも通じるのではないでしょうか。
そのうえで、お祝いの席と法要の席を混同しないようにしましょう。
法事の引き出物をイメージされないように、華やかなものを選ぶことが大事なポイントになります。

引き出物と内祝いの違いを押さえて準備しよう

「引き出物」と「内祝い」と言えば、結婚するときに用意するイメージが少なくありません。
そのため、双方は似ていると考えがちですが、実際は意味がまったく異なります。
また、引き出物と内祝いのどちらかだけでよい場合もありますが、相手によっては両方必要な場合もでてきます。
そのため、引き出物と内祝いの違いをしっかり押さえたうえで正しく準備しましょう。

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