内祝いに現金を渡すのは失礼になる?
内祝いに現金を渡すことに足踏みする人も少なくありません。
家庭や地域によってさまざまルールはありますが、基本的には現金での内祝いは、マナー違反だとする声も大きいためです。
理由としては、もらったお祝いがうれしくなかったように感じられてしまったり、冷たい印象を持たれてしまったりするなど、さまざまあります。
現金でそのまま渡すなら、商品券の方がまだいいのではという意見も多いですが、現金やギフトカードなどは、金額が直接分かってしまうデメリットがあります。
相手によっては少な過ぎると感じたり、またその逆もあったりして、トラブルの原因になってしまう可能性が少なからずあると考える人も多いようです。
また、相手に感謝の気持ちが伝わりにくいというデメリットもあります。
相手によってはとてもありがたいものかもしれませんが、全く内祝いの内容に迷っていないと捉えられてしまっても仕方がありません。
せっかくのお祝い事での正式なお返しの場であるのに、逆効果を生み出してしまう可能性もあります。
ただし、反対に、内祝いに現金を渡すことについて、問題ないと考える人は、問題あると答える人と同じくらい多いです。
いらないものをもらうよりいいと考える人が多いのが主な理由です。
現金以外のものを贈る場合、相手の趣味や好みに合わなければ、不要なものになってしまうというデメリットがあります。
好みのものを知っているような間柄でも、それが本当にいるものか、喜ばれるものかどうかは分かりません。
それであれば、自由に使える現金を、気持ちとして贈った方が実用的だと考える人も多いです。
たとえば、現金や、現金とまではいかずとも商品券などと一緒にお礼状やメッセージカードを添える手段も1つの手です。
内祝いを購入するお店によっては、子供の写真や結婚式の写真を入れることが出来るサービスもあるのでおすすめです。
なにか気持ちを伝えるものを添えるだけで、冷たい印象を与えずに、プレゼントとしての役割を正確に果たしてくれるようになります。少しの工夫で、相手に気持ちが伝わる送り方をすることが出来るのです。
自分で選べる内祝いは実際に喜ばれる?
現金は入っていないこともありますが、贈られてうれしいものの上位には、基本的にはカタログギフトやJCBの商品券、ギフトカードなどは実際に入っています。
特にある調査では、2014年以来、内祝いとしてもらって嬉しいものの1位は、変わらずカタログギフトという結果も出ています。
楽天などの通販サイトの人気ランキングでも、お菓子やスイーツなど食べられるものや、消耗品であるタオル、洗剤などの日用品が人気の傾向です。
人によっては味気なさを無くすために、商品券とお菓子のセットやカタログギフトと、消耗品や食品とをセットで贈る人も中にはいます。
年代別で見ても、内祝いとしてもらって嬉しいものの1位は、カタログギフトという結果は変わりません。
加えて、年齢を重ねるほど、カタログギフトや商品券が喜ばれる傾向にあります。
年配の人は、定番であるタオルギフトなどはすでに多くもらっていることも多いです。
その場合にこそ、豊富な商品から好みのものを選べたり、好きなものを買えたりするものが喜ばれるでしょう。
特に相手の好みが分からない場合に、カタログギフトなどの自分で選べるタイプは有効です。
趣味趣向が分からない、近いとはいえない間柄の場合は、より喜ばれるものでしょう。
ただし、商品券を贈る際には注意が必要です。
相手の行動範囲にその商品券が使える店舗が無い場合、かえって失礼に思う人もいないとも限りません。
商品券を贈る際には特に、相手主体で考える必要があります。
内祝いギフトには、他にも喜ばれるギフトがたくさんあります。
何を贈ろうか迷ったら、ソムリエアットギフトを覗いてみましょう。
出産内祝いをはじめ、人気ランキングから贈る時に押さえておきたいマナーまで紹介されています。
何を贈れば喜ばれるのか、おしゃれなギフトが見つかるでしょう。
内祝いを品物以外で用意する場合の注意点
品物以外の商品券やギフトカードでお返しする場合は、そのほかにも注意が必要です。
内祝いによるお返しは、半返しというマナーも存在します。
もらった額の半分、または3分の1程度のものを内祝いとして渡すのが基本的なマナーです。
お祝いを現金でもらったときは金額が明確なので問題ありません。
しかし、品物でもらった場合、勝手な判断でもらったものに見合わない額の商品券を渡してしまう場合もあることには注意しましょう。
内祝いは、もらったお祝いより多い額でも、極端に少なくても失礼になってしまいます。
品物でもらったときには、金額がわかりにくい品物でお返しした方が無難でしょう。
特に高額なものには注意が必要です。
たとえば、3万円のブランドのベビー服をもらったのに、5000円程度だろうと安易に判断することは危険です。
その半返しの2500円~3000円程度の商品券を渡した場合、トラブルのもとになってしまう場合もあります。
まずはしっかりと市場相場を調べることが大切です。
ただし、無理をする必要もありません。
たとえば、出産祝いや結婚祝いなどでは、特に両親から、今後の生活への支援の意味合いも含めて、5万円以上の高額なものや現金をもらう場合があります。
その内祝いとして半返しをしていては、自分たちの余裕がなくなってしまうことも考えられるでしょう。
内祝いはあくまで感謝の気持ちや、お祝いのお裾分けです。
気持ちを持って、お返しすることを一番に心掛けましょう。
商品券やギフトカードは何か添えて工夫を
商品券やギフトカードを贈る場合は、そのままでは味気ないという意見は多いです。
そのため何らかの工夫を加える場合も多く見られます。
たとえば前述の通り、何か食品を添える人も多いです。
商品券やギフトカードを贈る場合、包み方も小さめになってしまいます。
もらった側に味気ないという印象を与えてしまう可能性も十分に考えられます。
気持ちを伝えることが大切なので、添える菓子類は悩まず、1000円程度のものでも十分です。
たとえば、相手に小さい子どもがいる家庭の場合は、子どもの年齢に合わせて、ジュースやカレーなどのレトルト食品を添えるのもいいでしょう。
ちょっとしたタオル類などの消耗品も、小さい子どもがいる家庭では特に喜ばれます。
ほかにも、年配の人のみの家庭なら、保存のきく乾きものや、密封されているものを贈ると、腐らせてしまう心配もありません。
相手の家庭環境に合わせたものを贈ると、より気持ちが伝わります。
ただし、食品を添える際に注意したいのは、アレルギーなどに留意するという点です。
特に小さい子どもがいる家庭に贈る際は十分注意しましょう。
もし心配なら、事前に確認しておくと、より安全です。
また、商品券やギフトカードは金券扱いとなるので、購入場所も限られています。
通販サイトで購入することは難しく、三越や伊勢丹などの百貨店に直接足を運んで買いに行かなければ手に入らない場合がほとんどです。
実際に購入したけれど、直接手渡しできないといった場合は注意が必要です。
郵送する場合、現金ではないので、現金書留を利用することはできません。
一般書留か簡易書留で送ることが考えられますが、その場合、菓子類などは一緒に送れないというデメリットがあります。
郵送や宅配便で送る場合は、添えるものと一緒に商品券なども梱包する方が、実質的なコストも抑えることが可能です。
ただし、宅配や郵送を考えるより、直接渡す方が気持ちが伝わりやすいといえます。
商品券やギフトカードを贈る場合は、何か添えた方がいいとされますが、それも相手に不快な思いをさせないためです。
遠方などでどうしようもない場合は、手書きの手紙を添えるのもいいですね。
しかし、極力感謝の言葉とともに、直接渡すことを心掛けましょう。
ギフトカタログを内祝いで贈る場合のポイント
前述の通り、カタログギフトは世代を問わず人気な贈りものです。
ただし、内容に偏りがないものを選ぶのがポイントです。
グルメだけのものやエステやレッスン、ディナーなど体験コースだけのものだと、人によってはどれも選べないということもあり得ます。
もちろん、相手の好みが分かる場合は、それに特化したものを選んだ方がいい場合もあります。
ただ、趣味などが分からない場合や、一般的に考えた場合は、さまざまなものが選べるカタログギフトが喜ばれやすいです。
カタログギフトには豊富に種類が用意されています。
グルメや日用品、体験コース、雑貨などが散りばめられたものを選ぶのもいいでしょう。
金額によってランク付けされているので、もちろん、予算感で決めるのも1つの手です。
宅配や郵送を利用する場合でも、適度な大きさがあるため送りやすいという点も、カタログギフトのメリットです。お店によっては、メール便などの配送方法を選択すると送料無料で郵送してくれる場合もあります。
金額も伏せることができるため、カタログギフトの場合は、単品で渡しても失礼な印象は少ないといえます。
ただしいくら相手に好きなものを選んでもらえるといっても、相手の手間を必要とするということは、デメリットとして頭に入れておきましょう。
カタログギフトは、商品を選ぶことはもちろん、ネットやはがきで注文することが大前提です。
その時間がおっくうだという人も中にはいるでしょう。
そういった点では、こちら側が選ぶのを投げていると捉えられてしまうことも、あり得ないことではありません。
贈る相手はしっかりと見極めることが大切です。
内祝いののし紙と表書きはきちんとする
商品券やギフトカードを内祝いとして選ぶ場合でも、のし紙はきちんとかけて表書きも必ず書くのがマナーです。
まず商品券を購入したら、封筒ではなく、枚数をしっかり確認してのしや包装紙での包装ができるように専用の箱に入れてもらいましょう。
内祝いののし紙がかかっていないと、お祝いのお礼と気づかない人も中にはいるでしょう。
マナーを守ることは、気持ちをしっかりと伝えるうえでも非常に大切です。
常に注意することを心掛けましょう。
まず、表書きには、内祝いや寿と記載します。
ただし、場合によっては、たとえば相手が喪中などの場合は、御礼と記載するのが望ましいです。
出産内祝いの場合は、名前は生まれてきた子どもの名前のみを記すのが一般的です。
これは、赤ちゃんの名前を初めて正式にお披露目するという意味合いもあります。
また、かならず読みがなをふっておくことがマナーです。
内祝いののし紙の水引は蝶結びが一般的です。
ただし、結婚など、繰り返すことが良くないとされるものは結び切りを選ぶようにしましょう。
心配であれば、購入するときにお店の人に、内祝いであることを伝えておけば、適切なものを用意してくれます。
水引の色は、紅白のものや金と赤、もしくは金と銀のものが一般的とされています。
水引が印刷されているものでも、問題はありません。
また、商品券やギフトカードに菓子類や雑貨などを添える場合ののし紙は、メインの商品券やギフトカードだけでかまいません。
もしくは、短冊のしタイプをかけてもいいでしょう。
また、相手からのお祝いにのしがかかっていなかったとしても、基本的には内祝いには、のしをかける方が丁寧です。
ただし、親戚の中でも年配の人や会社の上司など、目上の人に商品券を贈る際は失礼になってしまう場合もあるので、贈る相手は選んだ方が無難です。
渡すタイミングを外さないことも大切なマナー
内祝いに大切なことは何を贈るかだけではありません。
渡すタイミングも大切です。
たとえば、出産内祝いの場合は、基本的にはお母さんと赤ちゃんの体調が落ち着きだす、出産してから1カ月頃を目安に贈ります。
あまり遅すぎると、相手に余計な不安を持たせてしまったり、忘れた頃に贈ってかえって失礼になってしまったりします。
遅くとも2カ月以内には渡せるように、事前に準備をしておきましょう。
また、出産して1カ月以上経ってからお祝いをもらった場合は、1週間ほどで渡しても問題ありません。
入学内祝いの場合には、入学式が終わってから渡すのが一般的です。
入学式の後にもらった場合には、4月中に内祝いを贈るのが適切といえます。
お祝いをもらう場合、結婚や出産などケースによってタイミングはさまざまです。
1週間~遅くとも1カ月程度を目安にして渡すように心掛けましょう。
ただし、特に出産や結婚後はどうしても慌ただしくなる場合が多いです。
新婚旅行に出かけたり、育児にかかりきりだったりして、余裕がなくなってしまうことも大いにあり得ます。
贈る人を事前にリストアップしたり、内祝いの内容をあらかじめ決めておいたりすることが、まずは大切です。
そのうえで、どうしても遅くなってしまう場合は、お礼だけ先に伝えておく心配りも必要です。
また、相手の状況によっても贈るタイミングは変わることは意識しておきましょう。
たとえば、相手側に弔事があった場合は、1カ月程度の目安はあてはまりません。
基本的には四十九日を過ぎたあとがマナーとされています。
あまりこちらの喜びのお裾分けという意味合いは強めず、あくまで感謝の気持ちとして贈るように心掛けることが大切です。
お祝いの常識は人や地域によってさまざま
お祝いの常識やマナーは、人や家庭、また地域によってもさまざま変わります。
自分が住んでいる地域や、決められたルールに沿って行うことも大切です。
あくまで、伝えるべきは感謝の気持ちや、喜びごとのお裾分けです。
贈る方も贈られる方も、お互いが気持ちいいと思える範囲内で、お祝いごとの贈りものを丁寧に選びましょう。