1年の締めくくりとして、お世話になった人に贈るお歳暮。お歳暮は、会社同士や取引先に贈ることもあり、いつからいつまでなど、贈る時期にもマナーがあるフォーマルなギフトです。過ぎたら失礼にあたってしまう可能性もあります。この記事は、お歳暮に掛ける熨斗についてのお話です。今さら聞けない熨斗の掛け方、熨斗の選び方について解説していきます。
最終更新日:2024年10月9日
お歳暮には基本的に熨斗が必要です
誕生日や父の日、母の日、バレンタインデーなどのプレゼントの場合、熨斗を掛けることはあまりありません。しかし、会社の名前で贈るものや、かしこまったギフトに関しては、基本的にはのしが必要です。のしなしで贈ってしまうと、受け取った人もギフトの目的がわからず困ってしまうかもしれまでん。ギフトの目的がはっきり把握してもらいたいお歳暮も、熨斗が必要な贈りものです。
そもそも「熨斗(のし)」とは
熨斗とは、もともと薄く伸ばしたあわびを干した「熨斗鮑(のしあわび)」のことを指します。
長寿や繁栄を意味する縁起物でもあり、かつて貴重なあわびを贈りものに添えて、特別な贈りものであることを表していたことから由来しています。
のしに使用する水引は、もともとは贈りものの包み紙を結ぶ紙ひものことで、目的に応じて色や本数、結び方が異なります。
慶弔どちらも本数が多い方が、格式と金額が上とみられており、現在では、紙にのしと水引が印刷されたのし紙を使うことが一般的です。
のしについては、のし袋やのし紙の右上に付け、祝儀のみに使用されます。
お歳暮に掛ける熨斗の書き方を解説
日頃の感謝の気持ちをこめて贈るお歳暮。しっかりとマナーをおさえて贈りたいですよね。それでは早速、お歳暮に掛ける熨斗について解説していきます。
表書きには「御歳暮」もしくは「お歳暮」
表書きとは、熨斗に書く文字です。水引の上部の真ん中に「お歳暮」もしくは「御歳暮」と書きます。御歳暮を贈る時期は、12月上旬からクリスマスまでが一般です。お歳暮を贈る時期が遅くなってしまうのであれば、「お年賀」もしくは「御年賀」、1月上旬になる場合は「寒中御見舞」で贈りましょう。お歳暮をもらったお返しなどを贈る場合は、「御礼」でも問題はありません。
お歳暮を贈る時期に関しては、以下の記事で解説しています。
名前はフルネームで
水引の下に書く自分の名前は、フルネームで書きましょう。目下へ贈る場合には、名字のみでも問題ありません。しっかりと名入れをして贈りましょう。夫婦など連名で贈る場合には、2つ並べて書きます。その場合は、右から目上の人を順番に書きます。
連名で書く場合は、基本的には3名とされているので、3名以上の複数人で贈る場合は、代表者のみの名前を書きましょう。その左下に「他一同」と書き記し、中包みに代表者以外の名前を並べて書きます。
法人で贈る場合は会社名か代表者名
会社から贈る場合は、代表取締役社長の名前か、会社名を書きます。会社名と代表の名前を書きたい場合は、個人名の右上に小さく会社名を書きましょう。
お歳暮の熨斗は外のしが基本!
のし紙の掛け方は、内のしと外のしの2種類があります。
内のしは、品物に熨斗を掛けて、その外側に包装紙でラッピングする掛け方です。外のしは、包装紙の上から掛ける掛け方です。
内のしは、控えめにお祝いをしたいときや郵送でギフトを贈る場合に使用されます。お祝いのお返しなどの内祝いは、内のしが基本とされています。
また、外のしは直接訪問して手渡しで渡す場合や、贈る目的をはっきりと伝えたいときに使用する掛け方です。
お歳暮については、外のしが基本です。郵送で贈る場合には、内のしでも問題ありませんが、短冊のしなどで贈る場合には、送り状と一緒にお歳暮の熨斗を貼っておいても良いでしょう。
内のしや外のしに関しては、地域の慣習などにもよるので、贈る前に近所の人に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
熨斗の水引は紅白蝶結び
熨斗の水引は、紐の色や結び方でそれぞれ意味が違います。
お歳暮に掛ける熨斗の水引は、紅白蝶結びを使用します。のし紙は、この紅白蝶結びの紐が描かれているものを使用しましょう。
紅白蝶結びは、何度でも結び直せることから、出産など何度繰り返してもおめでたい慶事やお礼などに使用されます。
一方で、結び切りという結び方の水引は、一度きりであって欲しいお祝いごとに使用されます。結婚や快気祝いが例です。黒白の弔事のしも結び切りとなっており、二度と繰り返したくない仏事に使用されます。
お歳暮では「簡易のし」でも可
先ほど解説した通り、贈る目的が分かれば簡易のしでも問題ありません。簡易のしとは、紅白の水引で蝶結びが印刷された短冊のしのことを指します。品物を巻くように掛けるのしに比べると簡易的なものになりますが、失礼ではないので安心してくださいね。しかし、会社へ贈る場合や、会社の代表へ贈る場合には、しっかりと巻きのしで贈る方が無難でしょう。ちなみに、相手や自分が喪中であってもお歳暮を贈ることは失礼にはあたりません。
お歳暮におすすめの品物は?
お歳暮とは、日頃の感謝の気持ちを込めて1年の締めくくりに贈るギフトです。 お歳暮は、そんな年末年始の時期にふさわしい品物が多く選ばれています。
年末は帰省したり家族や友人と集まったりすることも多くなります。
人が集まる時に一緒に楽しみたいビール、お正月だと日本酒などのお酒、 こだわりの果物のストレートジュースなど 飲み物のギフトもお歳暮の定番です。
他にも、家族で贅沢に過ごせるグルメギフトも人気です。
高級ハムのギフトや寒い時期にピッタリのカニなどのお鍋の具材セット、産地直送の海鮮ギフトも毎年多くの人に選ばれています。
スイーツなら、有名ブランドのスイーツが人気です。
家族みんなで切り分けて楽しめるロールケーキやタルトなど、普段食べることのない贅沢スイーツも喜ばれるでしょう。
楽天市場のスイーツランキングでも上位のルタオのチーズケーキや銀座千疋屋のフルーツケーキは知名度もあり、美味しいと評判のスイーツです。
正しく理解して感謝の気持ちを伝えよう
熨斗のことに関して、詳しく突き詰めていくと、「へぇ、そうだったのか」ということもあるでしょう。
改めて理解することや、初めて知ることもあるかもしれません。
お歳暮だけではなく、贈りものをするときは、用途にあった熨斗についてのマナーを把握しておきましょう。正しく理解することで、贈りもので思わぬ恥をかくこともありません。
しっかりとマナーをおさえた上で、日頃の感謝の気持ちを伝えましょう。