新しい年が明け最初に迎える祝日は、これから大人の階段を登る新成人をお祝いする日です。新しい1年とともにスタートを切る大人への第一歩。これまでお世話になった人からお祝いをもらうことも多いでしょう。大人になったことを祝福してもらい、内祝いをお返しすることは、人生で最初に経験する「内祝いの習慣」ではないでしょうか。大人への最初の一歩として、失敗しない内祝いを贈りたいところです。ここでは、恥ずかしくない成人内祝いの押さえておきたいマナーと贈り方を紹介します。最低限のルールをしっかり守って、内祝いを通して大人としての振る舞いをしましょう。
最終更新日:2023年10月14日
何歳から成人?
明治時代から約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で定められていましたが、この民法が改正され、2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に変わりました。
成人年齢が18歳に引き下げられたことでクレジットカードや携帯電話などの契約を自分一人で行うことが可能になる、司法書士や行政書士など一部の国家資格を取得できるなどのメリットがあります。成人年齢が引き下げられましたが、お酒やたばこに関する年齢制限は20歳のままです。 毎年1月の第二月曜日は 成人の日です。多くの自治体が20歳での成人式、名称改め「はたちの集い」を開催しています。
成人のお祝いをもらったら
1歳の誕生日から見守ってくれていた家族。
成人の日には、両親や兄弟、祖父母、親戚など特にこれまで成長を近くで見守ってくれていた人からの祝福があるでしょう。
お祝いも、現金だけではなく、社会人として働く人へは、名前が入った「名入れ」ボールペンであったり、ビジネススーツであったり、想いのこもったプレゼントをいただくことも多いでしょう。
出産祝いから始まり、これまでも入学や進学祝いももらっていたかもしれませんが、ほとんどの場合両親が管理をしてくれて、それぞれに内祝いをお返ししてくれていた事でしょう。
大人になったのであれば、今回からはしっかりと自分で管理し、マナーを押さえて恥ずかしくないお返しをしたいところです。
また、成人のお祝いをくれる人は、ほとんどが年上や年配の人が多いでしょう。
どんなお返しを選ぼうか、失礼になるお返しとはどんなものなのか、しっかり把握して大人として礼儀正しい内祝いを贈りましょう。
成人のお祝いへのお返しは必要?
節句や入学、卒業に進学も同様に、一般的に「子供の成長に伴うお祝い」へのお返しは不要とされています。
したがって、成人のお祝いへのお返しも、必ず品物をお返しする必要はありません。
仮に内祝いとしてお返しをしなくても、マナー違反になることはないので安心して良いでしょう。
しかし、お返しする必要がないからと言って、お祝いをもらってそのままということは相手に失礼にあたります。
それは基本的なマナー以前の問題です。
まずは、お祝いをくれた人に感謝の気持ちを伝えましょう。
これまでは、両親が代わってお礼を伝えてくれたかもしれませんが、もう大人ですから、できるだけ自分から伝えたいですね。
電話や直筆の手紙でありがとうの気持ちを伝えるようにしましょう。
成人内祝いは大人になった本人がしよう
基本的なマナーとして、品物をお返しする必要はありませんが、相手との関係性や状況などを鑑みて、内祝いの品物をお返しするほうが良い場合や、また「しっかりと品物をお返ししたい」という人は、相手に気を遣わせないお返しを贈りましょう。
またその場合も、両親に任せるのではなく、成人した本人がどんな内祝いがいいかを考え、喜んでもらえる内祝いを選びましょう。
お金をかける必要はありません。
例えば、現金でのお祝いをもらったら、そのお金で成人式に着ていく袴やスーツを購入して、その写真と手紙を添えて内祝いを贈るなど、嬉しいという気持ちが贈ってくれた相手に伝わるような工夫をした贈りものが望ましいですね。
成人内祝いを贈る際の基本的なマナー
成人の内祝いを贈る時に気をつけておきたい、基本的なマナーを紹介します。
いつまでにお返しをすればいい?
一般的な内祝いのお返しの時期と同様に、遅くても1ヶ月以内にお返しをしましょう。
内祝いを検討し始めるのは、成人式が終わってからで構いません。
できれば1月中に贈るのがベストです。
ここで気をつけたいポイントが、早すぎても良くないということです。
「お祝いをもらうことを前提としていたのか」と思わせるほかにも「気を遣わせてしまった」とかえって相手に気を遣わせてしまいかねないからです。
もちろん、1ヶ月以上と遅すぎることも失礼にあたりますので、例えばお正月に顔を合わせた時にお祝いをもらったら、成人式が終わってから2週間程度経ってからお返しを贈ると良いでしょう。
遅すぎず早すぎず、ちょうどいいタイミングで贈るのが大人としてのマナーです。
成人の内祝いの相場は?
先にも挙げたとおり、成人のお祝いは基本的にはお返しは必要ありません。
したがって、あまり高価なものでなくても問題ないでしょう。
大切なのは「感謝の気持ちを伝える」ということです。
内祝いの基本的な金額は、もらったお祝いの3分の1から半分くらいが相場です。
その範囲の中で、写真入りのメッセージカードや直筆の手紙、お祝いでもらったものにちなんだ内祝いを贈ると喜ばれそうですね。
のしは必要?
次に大切なのは、熨斗(のし)の書き方です。成人のお祝いに対する内祝いなので、熨斗は必ずつけて贈りましょう。
のしがつけられないような形状の品物やナマモノなどは避けたほうがよいでしょう。
成人は人生に一度きりなので、のし紙の水引は“結び切り”と思われがちですが、子供の成長に伴う行事にしようするのしの水引は「何度でも繰り返されて良い」とされており、“蝶結び”の水引が描かれたのし紙を使用します。
のしの上部(表書き)には、「内祝」もしくは「成人内祝」と書き、のしの下には成人した本人の名前を書き記します。
名字のみでも問題はありませんが、できればフルネームを書いたほうが良いでしょう。
また、のしは包装紙の下に掛ける「内のし」でかけましょう。
包装紙の外側に掛ける「外のし」よりも、控えめでさりげない印象を与える内のしが、内祝いには好まれています。
そもそものしって何?という人は、以下に詳しく記載しているので参考にしてください。
贈ってはいけない品物は?
昔は「縁起が悪い」という理由などで避けたほうがよいとされる品物がありました。
今でも、気にする人は気にしますが、慶事でのタブーは少なくなってきており、それぞれに相手の喜びそうな品物を贈ることが多いようです。
しかし、先ほども挙げたとおり、成人のお祝いをくれた人はほとんどが年配の人たちでしょう。
年配の人達の中には「縁起の悪い」という考え方はまだ残っているかもしれません。
したがって、縁起の悪いとされているものはできるだけ避けたほうがよいでしょう。
「関係を断ち切る」という意味で、ハサミや包丁などの刃物は避けられます。
また、法事や香典返しなどで使用される緑茶や日本茶なども避けたほうがよいでしょう。
靴や靴下なども「相手を踏みつける」「相手を見下す」という理由から、タブーとされる贈りものなので避けたほうがよいでしょう。
成人内祝いにおすすめのギフト3選
内祝いに人気のカタログギフトの他にも、おすすめの品物があります。
ここでは、成人の内祝いの基本的なマナーを押さえて、大人の贈りものとしてふさわしいギフトを紹介します。
通販サイトでは送料無料の品物もあるので、お得に購入することができますよ。
ティータイムのお供に和菓子のギフト
年配の人へのお返しには、やはり和菓子がおすすめです。
優しい甘さのあんこの風味や贅沢な抹茶の香り、甘いだけではないほろ苦い大人のテイストを醸し出す和菓子のギフトは、大人の階段を登り始めた新成人からの贈り物としてふさわしいギフトです。
大人になった証としてお酒のギフト
大人のギフトの大定番、お酒のギフトです。
成人年齢が引き下げられましたが、お酒を買えるのは20歳からです。20歳未満だと贈ることができないので、お酒のギフトはハタチになった証としてのギフトにぴったりです。
「今度一緒に飲みましょう」というメッセージとともに、お酒好きの親戚の人や祖父母など今まで温かく見守ってくれていた人に贈ると「大きくなったなぁ」と喜んでくれそうですね。
お酒のギフトは、成人の内祝いのみならず、結婚祝いや新築祝いにも大変人気です。
結婚式などめでたい席ではお酒が振る舞われるというイメージから、めでたいことにはお酒がつきものです。
馨和のクラフトビールのギフトセットは、贈りものにふさわしい紅白のラベルが特徴です。
テイストもそれぞれ違うので、一緒に飲んで飲み比べてみるのも楽しそうですね。
日常の贅沢を贈る調味料ギフト
普段から使う調味料は、もらって困る人はまずいないでしょう。
いつもの味を豊かにする、贅沢な時間と料理のできあがりが楽しみになる調味料は、「同じ醤油でもこんなに違うんだ」「今日の味付けはこれを使ってみよう」と、作っている時から楽しくなるに違いありません。
成人の内祝いにはメッセージカードを添えよう
大人になったことへのお祝いをしてくれる人には、大きくなった姿を見てほしいですね。
普段から会える距離にいる人にはもちろんのこと、遠方に住んでいてなかなか会えない祖父母や親戚の人に、感謝の気持ちとともに大きくなった姿を是非みてほしいものです。
どんな贈りものよりも、元気にこれまで育ってくれたその姿を見せることが何よりもの贈りものになるはずです。
楽天市場などの大手通販サイトで内祝いを購入すると、こちらから写真のデータを送るだけでおしゃれな写真入りメッセージカードを作成してくれるお店や、専用サイトにアクセスすれば、自分で自由にオリジナルのメッセージカードを作成できるお店もあります。
成人式での自分の写真と、贈りたい人への感謝の気持ちを書いた文章で、素敵なメッセージカードを作成しましょう。
内祝い専用の定型文やテンプレートを用意してくれているところもありますが、できれば自分の言葉でありがとうを伝えたいですね。
礼儀正しい成人内祝いで大人の仲間入り
成人の内祝いを贈るために、気をつけなければいけないことや基本的なマナー、品物にかけるのしや避けるべき品物など、さまざまなことを調べることになります。
それは大人としてのマナーを学ぶ良いきっかけになるはずです。
これからは“大人”として扱われ、社会に出て学んでいきます。
どんな些細なことでも学ぶ姿勢を忘れず、大人として恥ずかしくない立ち振舞をしていきたいですね。
成人の内祝いは、そんな日本ならではの礼節にふれる最初の機会です。
しっかり調べて身につけ、相手のことを気遣える贈りものをしましょう。