結婚や出産など、友人や会社関係や職場の上司、仲間から頂いたご祝儀や出産祝いに対して感謝のしるしとして、それぞれ結婚内祝いや出産内祝いという形でお返しをするのはマナーです。内祝いには、一般的なルールがあります。いくらくらいのものを用意しなければいけないのか、渡す時期やタイミングの他にも、内祝いの品物に掛けるのしについて理解しておく必要があります。この記事では、出産内祝いに掛けるのしについて詳しく紹介していきます。大人になった今でも、「この場合のしはどうすればいいのだろう」「内のしと外のしはどう使い分けるのだろう」と不安に思う人もいるでしょう。今さら聞けない“のし”について、徹底解説していきます。
最終更新日:2024年9月17日
のしとは?
出産内祝いを準備する上で、【熨斗(のし)】という言葉は欠かせないワードです。のしとは、元々は薄く伸ばしたあわびを干した「のしあわび」のことを指します。長寿や繁栄を意味する縁起物でもあり、かつて貴重なあわびを贈りものに添えて、特別な贈りものであることを表していたことから由来しています。
また、水引とは、もともとは贈りものの包み紙を結ぶ紙ひものことで、「結びきり」や「蝶結び」など、目的に応じて色や本数、結び方が異なります。慶弔どちらも本数が多い方が、格式と金額が上とみられています。
私達が今、一般的に“のし”と呼んでいる紙に印字されているのは、熨斗と水引です。また、祝儀のみに使用されるのし紙には、右上に“のしあわび”がついています。現在では、白い紙にのしと水引が印刷された“のし紙”をのしと呼び、使用することが一般的です。
内祝いにのしは必要?
のしとは、のし紙の右上につけるもののことを指しますが、のし紙が流通している現在では、のしといえば「のし紙」を指すことが多いです。したがって「内祝いにのしは必要?」と疑問に思っている人は、「出産内祝いはのし紙なしで包装紙でラッピングした状態のまま渡してもよいのか」という意味の人がほとんどでしょう。
出産祝いをもらうときには、のし袋でもらうことがほとんどですよね。現金ではなく品物をもらった場合でも、水引が描かれたのし紙が品物にかかった状態で受け取ったはずです。結論から言うと、出産内祝いを贈るときには、のし紙は必要です。掛ける品物によっては、短冊のしで用意することもありますが、のし紙を掛けずに贈ると、用途がわからない上にギフトとして軽く扱われていると受け取られかねません。またのし紙は、ギフトとしての体裁を整えるために重要な役割を果たすからです。出産内祝いを贈るなら、のし紙を掛けた品物を用意しましょう。
出産内祝いのを贈る前にチェックしておきたいこと
お祝いをもらって初めて触れる内祝いという習慣。
わからないことばかりなのも仕方ありません。
ここでは、出産内祝いを贈る前に押さえておきたいのしのことについて解説していきます。
のし紙は蝶結びを選ぼう
慶事用ののし紙は、大きく分けて2種類ののしがあります。まず、「結び切り」と呼ばれるのしです。結びきりには、5本や7本などの本数が分かれている場合もあります。結び切りののしに関しては、結婚の内祝い結婚祝いなどの婚礼関係や、病気が全快したときなどに用いられます。ただし、結び切りの熨斗にもいくつかの種類があるため、内祝いを贈るシーンに合わせて間違えないように使用することが大切です。
次に、蝶結びです。地域によっては花結びとも呼ばれます。御礼や出産内祝いでは、この蝶結びののしを選びましょう。
蝶結びの水引は、結び目を何度も結び直すことができます。そのため、何度繰り返しても良いお祝い事などのシーンで使用されます。出産内祝いの他にも、新築祝いやそのお返し、卒業やお中元やお歳暮、進学に喜寿などのお祝いなど、一般的な祝事は何度でも繰り返してお祝いしたいことであるため、紅白蝶結びの祝いのしが使用されます。水引の種類を間違えると大変失礼に当たるので、渡す前に十分確認するようにしましょう。
内祝いののしの種類については、以下の記事で詳しく説明しています。
のしは内のしで掛けよう
出産内祝いに限らず、内祝いののしは内のしで掛けましょう。内のしとは、お菓子などの品物に直接のし紙をかけて(包装紙の内側)、さらにその上から包装紙で包むのしの掛け方です。そのため、品物を手にしたときでも包装紙を開けるまで、「どのような目的で届いたものか」や「誰からの贈り物か」などのことが判断できません。内のしは控えめに品物を贈りたい場合に用いられるスタイルなのです。
内のしの他にも、外のしと呼ばれる掛け方があります。外熨斗とは、品物に包装紙をかけ(包装紙の外側)、さらにその上からのし紙をかける掛け方です。品物を包装した後にのし紙をかけると、ギフトであることを強調する効果があります。さらに、外のしにすると、贈り主や品物を贈る目的などが相手にも伝わりやすいというメリットがあります。
内祝いは、贈り物であるということを強調して渡すというよりも、どちらかと言うと控えめに贈るという目的に合っているので、出産内祝いは内のしで贈る方が良いでしょう。一方、ご挨拶や粗品、お中元にお歳暮などは、贈り物であることを強調し、ひと目見て用途がわかる外のしで掛ける掛け方がふさわしいでしょう。内のしや外のしの意味を理解すれば、どちらがふさわしいか分かりやすいですね。
のしに赤ちゃんの名前は必要?書かないと失礼?
のし紙には、それぞれの用途を書いて内祝いの品物に掛けます。例えば、婚礼関係の場合は結婚式の引き出物の場合、夫婦の苗字や旧姓を書いたり、内祝いの場合は、送り主として夫婦の下の名前の連名を書きます。出産内祝いの場合、のしの上部(表書き)には「出産内祝」または「内祝」と書きます。パソコンなどで作成すると「出産内祝い」「内祝い」となり、送り仮名をそのまま表書きに書くのか迷ってしまいますが、一般的には漢字のみを使用します。
また、出産内祝いの場合、のしの下部に書く名前について、誰の名前を書くのだろうと迷う人もいるでしょう。中には、名字を書く、無地のままにする、生まれた子どもの両親の名入れをすると思っている人もいるかもしれません。のし下を名前なしにして渡したいと思っている人もいるでしょう。
名前の書き方について、出産内祝いののしには、子供の名前のみを書きましょう。フルネームでなくても構いません。のしに名前がなくても問題ではありませんが、受け取った人からは「なぜ名前がないのだろう」と疑問に思われるかもしれません。手書きで書いても問題ありません。品物を購入する店舗によっては、のし下に苗字だけを書いて、命名札に赤ちゃんの名前をかいて用意してくれるサービスもあります。名前を隠したい理由があるのかなと変に勘ぐられる場合もあるので、名前を書きたくないということではない限り、生まれた赤ちゃんの名前を書き記してあげましょう。また、のしには赤ちゃんの名前をお披露目する意味も込められているので、ふりがなも忘れずに書き記しましょう。
不安な時はインターネットショップを利用しよう
のしについて不安な事があったら、インターネットショップを利用してみましょう。のしの種類や表書きの書き方について、これであっているか、贈りたい品物を注文する時に備考欄に不安なことを相談してみましょう。
インターネットのギフトショップ・ソムリエアットギフトは、カタログギフトやタオルをはじめ、もらって嬉しいおしゃれでセンスの良いギフトが並ぶお店です。ギフトのプロあので、丁寧にわからないことを教えてくれますよ。のしや包装紙での包装はもちろんのこと、メッセージカードの利用も無料でできるので、あなただけの気持ちのこもった内祝いを送ることが出来るのでおすすめです。テンプレートも用意してあるので初めての人も安心です。お家にいながら簡単に内祝いの手配ができることも嬉しいですね。
ギフトとして相手の自宅に直接郵送もできるので、赤ちゃんを抱えての外出が大変な出産内祝いを贈るのにもピッタリでしょう。
のしの使い方を理解して節度ある内祝いを贈ろう
のしには、結婚や出産以外にも、子供の成長を伴う行事、入学祝いや初節句のお祝いなど、用途によって書き方や内のしや外のしなど、掛け方にも違いがあります。つけないで渡そうと思う人もいるかもしれませんが、手渡しで渡す場合も多く、お祝いや内祝いなどの目上の人へも渡す機会の多いフォーマルなギフトは、熨斗をつけて贈りましょう。
のしについてもっと掘り下げると、水引の本数なども意味が違います。のしは、慶事だけではなく仏事用途でも使用されるので、全てを合わせると数種類ものののしが存在します。のしのすべてを理解するのは難しいかもしれませんが、お祝いをもらって内祝いを贈ることで、その用途ののしの種類や掛ける意味を理解していくと良いでしょう。
のしの知識は、今後もきっと役に立つ時が来ます。出産内祝いの場合は特に、我が子のお披露目も兼ねているので、生まれてきた赤ちゃんのためにもしっかりとマナーを押さえて贈りたいですね。