何かお祝いごとがあった場合、お祝いの品物やお金をもらうこともあるでしょう。
お祝いをもらったら、内祝いを贈るのが基本です。内祝いは、もらった金額の半分から3分の1程度をお返しするのが一般的だといわれています。
しかし、実際にお返しする際にどうしたらいいのか悩んでしまう人も多いでしょう。
この記事では、予算の決め方や内祝いでおさえるべきポイントについて解説します。
最終更新日:2023年9月4日
そもそも内祝いとはなにか
内祝いとは本来、「内々のお祝い」「身内の祝い」という意味があるのです。
もともとは、お祝いごとのあった人が、その喜びを身内で分かち合うために、親しい人や親せきなどに贈り物をすることを意味していました。
祝いごとのあった側が、喜びの気持ちを表すためのものであり、厳密には「お返し」という意味ではありません。
しかし現在では、祝いごとの際にもらったお祝い金やお祝いの品へのお礼の品という意味が強くなっています。
そのため、祝いのお金などをもらった際には内祝いというのしをつけて、贈り物をすることが一般的になっているでしょう。
内祝いは祝い事の際に贈るものですから、結婚や出産、子どもの入学時など、祝われるような出来事が起こった場合に贈ります。
慶事の際に使うものなので、覚えておくといいでしょう。
内祝いを贈るタイミング
内祝いを贈るタイミングは悩むところです。
早い分にはいいのですが、遅すぎるのはあまりよくありません。
また、なんのお祝いごとに対する内祝いなのかによって、適切なタイミングは変わってくるでしょう。
まずは、結婚の内祝いの場合です。
結婚式後1カ月以内に贈るようにするといいでしょう。
結婚式の後は新生活が始まり何かと慌ただしくなります。
そのため、内祝いまで手が回らないこともあるでしょう。
しかし、1カ月を過ぎてしまうと、マナーがなっていないと思われるケースもあります。
結婚を祝ってくれた人との関係は良好に保っておきたいですよね。
そのためには、1カ月以内のできるだけ早いうちに贈るのがポイントです。
出産の場合には、出産から1~2カ月以内に贈るのが一般的です。
産後すぐに内祝いの手配をするのは大変です。
産後は体の調子を整えるために、しばらくは安静にしておきたいものですよね。
そのため、内祝いは出産して落ち着いてからで構いません。
目安としてはお宮参りが済んだ後が基本となります。
お宮参りは出産から1カ月程度経ったときにおこなうものです。
そのため、お宮参りが済んだらできるだけ早めに内祝いを贈るようにするといいでしょう。
出産後は赤ちゃんのお世話や産後の体の回復などで、思うように準備が進まないことも多くあります。
出産後に用意しようと思うと贈るのが遅れてしまうこともあるため、出産の内祝いは産前から準備をしておくとスムーズに進むでしょう。
内祝いでおさえるべきポイント
内祝いを贈る際には、おさえるべきポイントがいくつかあります。
まずは、金額の面です。
内祝いを贈る場合には、いただいた品物や金額よりも高価なものはタブーだとされています。
お祝いをしてくれたお礼だから、喜びの気持ちを表したいなどの理由で、高価な品物を贈りたいという人もいるかもしれませんが、相手に気を遣わせることになるためやめましょう。
いただいた物の半額から3分の1程度の金額で収まるように心がけることが重要です。
逆に、いただいた品物の3分の1以下のものを贈るのは、マナー違反だと考える人もいるので注意が必要になります。
3分の1を少し超える程度から半額ぐらいの品物を選ぶのがポイントです。
届け方にもポイントがあります。
まずは、のしをつけることです。
内祝いを贈る場合には、必ず「内祝い」というのしをつけるのがマナーですので、忘れないようにしましょう。
のしの下段には、結婚などの内祝いの際には名字のみ、出産内祝いの場合には子どのも名前を書き入れます。
また、品物だけでなく一言添え状をつけるのもマナーとなっています。
簡単なお礼状のようなもので構いませんから、品物と贈るようにしましょう。
贈る時期も重要です。
前述したように、遅くなりすぎるのはマナー違反です。
2カ月も3カ月も先ということになると、忘れていたのではないか、常識がないなどと思われる危険性があるので気をつけましょう。
結婚なら1カ月以内の早いうちに、出産なら1カ月を目途に贈るようにしたほうが安心です。
内祝いの金額の考え方
出産などの場合には、前もって内祝いを準備しておくのがポイントですが、誰からどのくらいの金額のお祝いをもらうのかわからないと、予算を考えるのが難しくなります。
一般的に多いお祝い金の額や予算の立て方を見ていきましょう。
まずは、親や祖父母といった近しい身内からのお祝い金です。
親や祖父母の場合には、3~10万円程度のことが多いようです。
この場合には、1~3万円程度を内祝いの予算に考えておくといいでしょう。
次に、兄妹や親せきです。
兄妹や親せきからのお祝いは、日ごろからの関係性にもよりますが、相場としては1~3万円ぐらいになります。
そのため、内祝いの予算は3000~1万円程度で見ておくと安心です。
会社関係からお祝いをいただくこともあります。
会社関係の場合には幅が広く、1000~1万円程度がお祝い金の相場です。
会社の規模や日ごろからの付き合い、上司からなのか部下からなのかなどによって、金額は上下します。
予算は、500~5000円程度とみておけばいいでしょう。
友人や知人の場合は、3000~1万円が相場となっています。
そのため、1000~5000円を内祝いの予算として考えます。
このように、お祝い金の額は関係性によっても違いますし、相手の経済状況などによっても上下するため幅があります。
また、内祝いの金額に関しても、目上の人からいただいたのかなど、立場によって大きく異なるのです。
そのため、具体的な予算額を決める前に、身近な人に相談してみるといいでしょう。
親や兄妹、結婚や出産をしている友人などに聞いてみると、ある程度の参考になります。
両親・親族・上司などから高額なお祝いをいただいたケース
両親や親族、上司などから高額なお祝いをいただくケースもあります。
この場合には、あまり高いものを贈るのは良くないとされています。
たとえば、10万円のお祝いをいただいたとしましょう。
基本は半返しから3分の1返しですが、10万円の半返しだと高額になってしまいます。
また、目上の人に高額の品物を返すのは、マナー違反だと考えられる場合もあるので注意が必要です。
高額なお祝いをもらったからと、頑張って半返しをしてしまうと、お祝いを返したように相手側が感じてしまうこともあります。
そのため「あなたからのお祝いはいりません」という意味だと捉えられてしまうこともあるのです。
気を遣ったつもりが逆に、相手を不快な思いにさせてしまうこともあるため、目上の人からのお祝いの内祝いは、あまり高額にならないように気をつけましょう。
目上の人への内祝いは、半返しではなく気持ち程度の品物に留めることがポイントです。
お返しが少額だと申し訳なく感じてしまう場合には、写真や手紙を添える、また別のタイミングで簡単な贈り物をするなどするといいでしょう。
基本のマナーとしては、いただいた金額の3分の1程度となっていますが、目上の人の場合にはあまり気にする必要はありません。
出産祝いの内祝いなら、軽い贈り物と一緒に赤ちゃんの写真をつけるなどすると、喜ばれることが多いようです。
また、普段の付き合い方によって、多少の考慮をすることも大切でしょう。
普段から親密な付き合いがある場合と、あまり付き合いがないケースでは、贈り物も異なります。
相手との関係性をよく考えて選ぶようにすると、失敗が少なくなります。
後輩や部下からお祝いをいただいたケース
後輩や部下からお祝いをいただいたケースでは、お祝いの8割~同程度のものを内祝いとしてお返しするのがマナーです。
お返しの基本は、「目上に少なく、目下に多く」です。
そのため、3分の1程度のお返しではなく、8割以上の品物を贈るようにしましょう。
そうすることが、目上の者としてのマナーです。
あまり少ない金額の品物を選んでしまうと、信頼を失ってしまったりケチだなと思われてしまったりすることもあります。
ただし、高額すぎる品物を贈るのは良くありません。
高すぎるものを贈ってしまうと、部下や後輩が恐縮してしまうケースもあります。
逆に気を遣わせてしまう結果になるので、高額すぎるものは避けることがポイントです。
高くてもお祝いの金額と同程度のものになるようにすることが適切です。
披露宴に出席した人からお祝いをいただいたケース
披露宴に出席した人からお祝いをいただくこともあります。
基本的に、参列者の場合には引き出物が内祝いに当たるのです。
そのため、参列者からご祝儀をいただいているケースでは、引き出物とは別に内祝いを贈る必要はありません。
ただし、ご祝儀のほかにもお祝いの品物などをいただいた場合には、内祝いのお返しが必要になります。
基本的には、日用品などのちょっとしたものを贈るようにすれば大丈夫です。
友人などから連名で、ご祝儀とは別に品物をいただくケースもあります。
その場合には新婚旅行のお土産を渡すなどするといいでしょう。
披露宴に出席していない人からお祝いをいただいたケース
披露宴に出席していない人からお祝いが贈られてきた場合には、基本通りに内祝いを返せば大丈夫です。
関係性にもよりますが、半返しから3分の1返しを基本にして品物を選べばいいでしょう。
式から1カ月以内のできるだけ早い段階で贈ります。
親せきや関係性の近い友人なら、結婚式の写真をつけるのもいいでしょう。
式を挙げていないけれどもお祝いをもらったケースでも同様に内祝いを贈ります。
大勢で連名でお祝いをいただいたケース
職場や取引先などから、連名でお祝いをいただくケースも珍しくありません。
その場合、個別に内祝いを贈ったほうがいいのか、金額はどうしたらいいのかと悩んでしまうことも多くあります。
余裕があるのなら、連名でお祝いをしてくれた全員に、個別で内祝いを贈るといいでしょう。
マナーとしては、個別に内祝いを贈るのが正しいとされていますので、お祝い金の額が多い、内祝いを用意する余裕がある場合には、個別に贈ると安心です。
ただし、お祝い金の額が少ない、大勢の人からの連名の場合には、個別に内祝いを用意することが難しくなります。
そのような場合には、お祝いの半額程度の金額になる菓子折りなどを、代表者に贈るといいでしょう。
連名で贈られたものですから、それぞれにいきわたるように、個包装になっている菓子折りを選ぶのがポイントです。
個包装になっておらず中身を配ることのできないものだと、お祝いをしてくれた人全員に行き届かないケースもあります。
そのため、できるだけ配りやすいものを選ぶのがマナーです。
お返し不要を伝えられていたケース
お祝いをいただいたときに、お返し不要を伝えられているケースではどうしたらいいのでしょうか。
お返しがいらないといわれていても、なにも返さないのは気が引けてしまいますよね。
しかし、お返し不要と伝えてきた人は、気を遣わせたくない、お祝いをしたいだけでお返しはいらないと思っているのです。
そのため、通常のように内祝いをきっちりする必要はありません。
一般的な内祝いのように、半返しから3分の1返しの品物を贈ってしまうと、相手に気を遣わせてしまったり、必要ないと伝えたのにと思われたりすることもあるでしょう。
どうしてもお返しをしたい場合には、相手の負担にならない軽い品物を贈るのがポイントです。
たとえば、相手と会うときにお土産を持っていくなどするといいでしょう。
このとき、内祝いだと伝える必要はありません。
日ごろからの感謝の気持ちというように、軽い贈り物をすることで、相手に気を遣わせずに済みます。
また、何も返していないというこちら側の精神的負担も減るでしょう。
品物ではなく、ホームパーティーなどに招待するのも良い方法の1つです。
品物で贈ってしまうと、負担になる場合もあります。
そのため、ホームパーティーに招待しておもてなしをすることで、相手に負担なく自然と感謝の気持ちを伝えることができるのです。
ポイントは、相手に気を遣わせないような贈り物をすることでしょう。
お礼の気持ちを伝えたい場合には、お返しがいらないと伝えてくれた相手の気持ちも考えて、品物や伝える方法を選ぶことがポイントになります。
慶事を祝福してくれた人を大切にしよう
内祝いを選んだり手配したりするのは面倒くさいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、内祝いは祝福してくれた人に対するお礼の気持ちを表すものです。
そのため、面倒くさがらずにしっかりと選ぶことが重要でしょう。
慶事を祝福してくれた人とは、これからも良い関係を築いていきたいものです。
喜びを共有してくれた人を大切にしていくために、内祝いをきちんと贈るようにしましょう。
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