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出産や初節句など子供にお祝いをもらったら内祝いでお礼を!

内祝い
出産内祝い

そもそも「お返し」ではなくなぜ内祝いなのか?

周囲からもらったお祝いに対して、お礼やお返しをすることを「お返し」ではなく「内祝い」というのには理由があります。
「内祝い」とは自分の家でおめでたいことがあったときに、その喜びを身近な人にもおすそ分けをするというのが本来の習慣であり、もともと「内祝い」という言葉にお返しという意味は含まれていません。
お祝いの品をもらったかどうかに関わらず、身近な人へ自主的に贈り物をすることが正しい「内祝い」の意味となります。
しかし、時代が変わるにつれ「内祝い」の扱いは徐々に変化し、もらったお祝いについてのお返しという意味合いの方が強くなってきました。
お祝いをもらっていない人に「内祝い」として贈り物をするのは間違いではありませんが、「お返し」という意味合いの方が広く浸透しているため、受け取った人に気を使わせてしまうかもしれません。

内祝いは主に、結婚祝いや出産祝い、快気祝い、新築祝いなどの内輪のお祝いごとの際に、もらったお祝いに対してお返しを贈ることです。
結婚内祝いについては結婚式の引き出物や食事などがお返しにあたるため、参列していない人からお祝いをもらった場合に内祝いを贈ります。
新築内祝いについては新居に招待し、もてなすことで感謝の気持ちを表すことが多いです。
病気などで入院中にお見舞いをもらった場合には、治癒してから1~2週間を目安に快気内祝いを贈るのが一般的です。
出産や初節句の場合には子供のお披露目も兼ねているため、内祝いに写真を添えて贈る人も増えています。
出産内祝いについては子供がもらったお祝いに対してのお返しになるため、子供の名前で贈るようにしましょう。

地域によってはいろいろな習慣が残っている

内祝いの本来の習慣を残すものとして、地域によってさまざまな風習が存在しています。
例えば、千葉や茨城などの関東の一部では「三つ目のぼた餅」というお祝いごとがあります。
これは赤ちゃんが生まれてから3日目に、近所や親族、会社や友人など親しい家に一際大きい「ぼた餅」を配るという、古くから続くならわしのひとつです。
これは第一子の出産時にのみ行うもので、身近な人たちに出産の報告をする役割を担うだけでなく、もち米を使った大きいぼた餅で栄養を多く摂ることで、母乳がよく出るようにという願いも込められています。

この「三つ目のぼた餅」を受け取った場合にも、出産祝いとは別にお返しをする習慣があります。
お返しの品には地域差やさまざまな説がありますが、梅干しや豆、麻などを贈ることが多いようです。
梅干しは長寿、豆は息災を願うものといわれています。
麻は「麻祝い」または「紐祝い」といわれる風習のことで、お祝い金を半紙で包み、麻ひもで縛ったものを贈るというものです。
麻祝いでもらった麻ひもをとっておき、お宮参りのときに赤ちゃんの産着にくくりつけるという風習が残る地域もあります。
このように、内祝いに関しては地域によってもさまざまな常識や習慣があるので選ぶときには注意しなければなりません。
結婚によって住む場所が変わったり、遠方の人に贈ったりする場合など、その地域の風習が分からないときには、配偶者の両親など周囲の人に聞いてみるのも良い方法といえます。

内祝いは絶対に渡さないといけないもの?

内祝いなどの礼儀的なものについては、人や地域によって考え方が分かれやすいですが、出産や初節句など子供へのお祝いをもらった場合、子供が生まれたことや成長に対して喜んでくれる気持ちが込められているので、その気持ちに感謝をすることは大切なことです。
絶対に用意しないといけないという決まりはありませんが、もらったことに対してお礼やお返しをすることは、人間関係を円滑に進めていくうえでとても重要です。
結婚式に参列した人や、お祝いの品が相場よりも少額のものの場合には、内祝いを渡す必要のないケースもありますが、お祝いされたことに対して感謝の気持ちを内祝いというかたちで表すのが常識となっている日本では、相手に対する最低限の礼儀であるといえます。
中には相手の人から気遣いでお返し不要と言われることもありますが、気になる場合には形式にこだわらず、機会があったときに相手が恐縮しない金額のものを贈ることで、感謝の気持ちを伝えることができます。

豪華なお祝いをもらった相手へはお礼をするのが大変な場合もありますが、相場を目安にしてできる範囲内で心を込めてお礼をするのがマナーです。
内祝いの相場はもらったお祝い金額の半分~3分の1が相場であるとされています。
高額なものをもらった場合には3分の1より少なくても問題ありません。
あくまでも目安ですが、相場の金額からかけ離れたものは金額が高低に関わらず贈った相手を不快にさせてしまうことがあるため、なるべく相場の範囲内のものを選ぶのが良いでしょう。

内祝いを選ぶときの相場はいくらが適切?

内祝いは相場を目安にして選びましょう。
厳密に金額を合わせる必要はありませんが、相場からあまりにもかけ離れたものを贈ってしまうと、さまざまなトラブルの原因となってしまうかもしれません。
前章でも触れたように内祝いの相場は、もらったお祝い金額の半分~3分の1が一般的とされています。
考え方や地域により個人差はあるものの、そのように考えている人は多いです。
しかし、ケースによっては変動することもあるので柔軟に対応できると良いでしょう。
例えば、子供のお祝いのときに両親や祖父母から高額なお祝いをもらったケースなどです。
この場合、3分の1でも金額が上がりやすいため、多少少なめでも良いと考えられています。
金額が高いものを返しても失礼になる場合があるので注意が必要です。
また、親族などの親しい間柄の人に内祝いを贈るときは、身内の間でのやり取りについて独自のルールがないかどうかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。

後輩などの目下の人からのお祝いをもらった場合、半分~3分の1より多少多めでも良いという考え方もあります。
一般的にはもらった金額の8割から同額程度のものをお返しするのが良いでしょう。
その際、もらったお祝いの金額よりも高額なものを贈ってしまうと相手が恐縮してしまいます。
内祝いを選ぶときはお祝いの金額を超えないように注意しましょう。
また、連名でお祝いをもらった場合には、個別にお返しするのも丁寧で良いですが、みんなで分けられるお菓子など気軽な品であれば、相手に気を使わせずにお礼を伝えることができます。

内祝いには「のし紙」をかけるのがマナー

内祝いを渡す場合は、必ず「のし紙」をかけてもらうようにしましょう。
のし紙とは、「水引」という贈り物を結ぶ紙ひもと、縁起物であるアワビを薄く伸ばして干した「のし」を印刷した紙のことで、日本では一般的な贈答品の包装とされています。
のし紙は実際には水引やのしを付けない略式のもので、お祝いには欠かせない習慣のひとつです。
のし紙をかけるのは内祝いを贈る際の基本的なマナーになります。
友達などの親しい間柄の場合、きれいにラッピングしてあれば良いと思ってしまう人もいるかもしれませんが、「内祝い」ののし紙がかかっていないと「お返しをもらった」と認識しない人もいるため注意が必要です。
のし紙は仏前へのお供え物や生鮮品の場合は不要となります。
遠方の人に贈り物をする際には、のし紙の上から包装紙で包む「内のし」にすると、宅配でものし紙を汚さずに届けることができます。
逆に、直接手渡しをする場合には包装紙の上からのし紙をかける「外のし」が一般的です。

のし紙は贈り物の用途によって水引の色や種類が異なります。
目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
婚礼関係の場合には、水引は紅白の「結び切り」、出産関係の場合には紅白の「蝶結び」のようにそれぞれ決まりがあります。
のし紙には「出産内祝い」や「初節句内祝い」などを表書きとしてきちんと書き入れましょう。
出産関係などの内祝いの場合ではお祝いをもらったのは子供になるため、親の名前ではなく子供の名前のみを書き入れます。
その際、名前だけでも苗字まで入れてもどちらでも問題はありません。
のし紙をどこで用意したらいいか分からない場合でも、商品を購入した店で用意してくれることが多いです。
また、包装をしてもらうときには「内祝い」であることを必ず伝えるようにしましょう。

渡すタイミングを外すとトラブルになる場合も

内祝いは渡すタイミングを外してしまうとトラブルになってしまう可能性もあります。
しっかりと渡す時期について事前に確認しておきましょう。
出産の場合、早い人だと1週間前後でお祝いをくれることもありますが、出産内祝いは赤ちゃんが生まれてから1カ月程度経ってからが目安となります。
母体も赤ちゃんも落ち着いた頃で、お宮参りの時期と考えれば良いでしょう。
初節句では、子供を囲んでお祝いの席を設ける家も多く、その場合はお祝いをもらった人を招待してその場で渡します。
招待できなかった人やお祝いの席を設けなかった場合は、お祝いをもらった月のうちに内祝いを渡すようにしましょう。
女の子なら3月中に、男の子なら5月中となります。
内祝いを渡すのは遅い場合でも2カ月を超えないというのが一般的な認識です。
それ以上遅くなると印象が悪くなることもあるので注意してください。

万が一、体調を崩したり思わぬトラブルが起きたりして渡すのが遅くなってしまったときには、一言お詫びを添えて贈るようにしましょう。
受け取る側からの印象も良くなります。
また、お祝いをくれた人の家で弔事があった場合には、慶事とタイミングが重ならないように配慮するのがマナーです。
内祝いは四十九日を過ぎてから贈るのが良いでしょう。
先にお礼とともに内祝いは喪が明けてから贈る旨を伝えておくと安心です。
逆に自分の家で弔事があった場合、内祝いを贈ることは問題ありませんが、中には気にする人もいるため相手によっては時期を見合わせることも必要です。
11~12月にかけての出産の場合、年末年始の間は何かと忙しく、年を越してしまうと期間があいたように感じてしまう人も多いため、なるべく年内のうちに内祝いを贈るのが良いとされています。
出産後はなかなか手が空かない日が続くため、家族で協力しながら余裕をもって用意しておくことが大切です。

遅れてからお祝いをもらったらどうする?

出産祝いは基本的に出産後1~2カ月以内を目安にもらうことが多いですが、そもそも出産祝いを贈るタイミングは明確に決まっているわけではありません。
そのため、時期を過ぎてから出産祝いを受け取ることもあります。
その場合でも内祝いは必ず贈るようにしましょう。
時期がずれているからといって何も贈らないというのは礼儀に欠けていると思われてしまい、今後の関係性にも影響しかねません。
もらったお祝いにはお返しをするのが本来のマナーです。
他の人への内祝いが済んだあとでお祝いをもらった場合は、もらってから1週間~1カ月以内を目安に渡すようにしましょう。
郵送や宅配などで受け取った場合には、すぐにお礼のメッセージを送ると、無事に受け取ったことも伝わるので安心してもらえます。

タイミングがずれたことでのし紙をかけることに抵抗がある場合でも、必ず「内祝い」ののし紙をかけて贈りましょう。
のし紙をかけずに内祝いを贈ってしまうと、常識がないと思われてしまうかもしれません。
目上の人に贈る場合は特に注意が必要です。
ごく親しい間柄であればのし紙がなくても問題ないと思ってしまいがちですが、もらったお祝いの気持ちに対して正式なかたちで感謝を表すのは大切なことです。
贈った相手からものし紙があることで内祝いだと分かりやすく、受け取ったかどうかが曖昧になるのを防ぐことができます。
このように遅れてお祝いをもらった場合でも、内祝いの扱いは通常のタイミングと特に違いはありません。
しっかりとマナーを守り、心を込めてお礼をすることが大切です。

お祝いされたら感謝を込めてお礼をしよう

お祝いに関することは人によってさまざまな考え方がありますが、大事なのは相手に感謝の気持ちを伝えることです。
内祝いの習慣は人間関係を築くうえでもとても重要といえるため、基本的なマナーについてしっかり確認しておきましょう。
お祝いされたら感謝の心を込めて、なるべく遅くならないようにお礼として内祝いを贈ることが大切です。

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