内祝いの基本的なマナー
内祝いとは、出産に限らず、結婚式に参列できなかった人からのお祝いのお返しである結婚内祝い、新築祝いのお返しや子供の成長に伴って、初節句内祝いや入学、成人などさまざまな用途があります。
そもそも内祝いとは、親族や近所の人、普段お世話になっている人に対して「身内の中で起こったおめでたいことや喜びをお裾分けする」という意味の言葉です。
近年では、結婚祝いや出産祝いなど、お祝いのお返し、つまり返礼品の意味として使われています。
「内祝いは何がいいのだろう、すべての人に喜んでもらえるものを贈りたい」と考えこんでしまう人もいるでしょう。
出産後はさまざまな人から出産祝いを頂くため、いろいろと迷ってしまいそうですね。
しかし、赤ちゃんが生まれると慌ただしくなるので、出産前からある程度内祝いの基本的なマナーを学んだり、どのような内祝いを贈ろうかイメージしたりしておくとよいでしょう。
事前に準備をしておくことで、慌てずにすみます。
内祝いは、通販サイトで注文をして、直接宅配便などで配送手配をする場合もありますし、直接手渡しすることもあります。
もし、発送するのであれば、包装紙の内側にのしをかける「内のし」にしましょう。
直接会って内祝いを渡す場合も、紙袋などにこすれてのしが破れる恐れもあるので、内のしにしておいたほうが無難です。
その上、包装紙の内側にのしをかけると、控えめな印象を受けるので、内祝いを贈る場合は内のしで用意しましょう。
その際のしに表書きをしておけば、新たにリボンをつけたりしなくても大丈夫です。
また、内祝いなどのお祝い事には欠かせないのが紅白の「水引」です。
「水引」は結婚式であれば結び切り、出産の内祝いの場合には蝶結びにしましょう。
通販サイトで内祝いを注文する場合、直接会って内祝いの品を渡せない代わりに、メッセージカードを添えて郵送手配をすると良いでしょう。
無料でサービスをしてくれるお店もあり、内祝いの品についても、送料無料の品物もあるので、ぜひ利用してみましょう。
内祝いの基本的なマナーとしておさえておきたいのは、内祝いを贈る時期です。
出産のお祝いを頂いたら、1カ月程度を目安に贈るようにするとよいです。
もし、出産してから1~2カ月後に出産祝いを頂いたときには、その都度内祝いを贈るようにしましょう。
産後の体調不良などでどうしても遅れてしまう場合は、先に電話や手紙でお礼の連絡を入れておきましょう。
次に、気になるのはお返しの予算です。
出産のお祝いの金額は、普段のお付き合いの関係で異なるものですよね。
そのため、全員一律でいくら分をお返しする、というような考え方ではなく、それぞれ頂いたお祝いの金額の半返し~3分の1程度の金額でお返しするのが一般的です。
例えば、5000円のお祝いをもらった場合、1500円~2500円が目安です。
現金でお祝いを頂いた場合には、その金額の半額~3分の1程度をお返しすればよいのですが、お祝いの品物を頂いたときには、どうすればよいのでしょう。
インターネットで品物を調べればおおよその価格がわかりますので、その価格の半額~3分の1程度を目安にお返しすれば大丈夫です。
友人から喜ばれる内祝いは何?
幼なじみから学生時代まで、長い付き合いの友人は、気心も知れているため、きっと出産を心から祝ってくれるでしょう。
また、産休でいろいろとお世話になっている会社で仲の良い同僚にも、感謝の気持ちを伝えたくなるものです。
さらに、出産前の不安な気持ちやワクワク感を共有したママ友からも出産祝いを頂くこともあります。
友人といっても、このようにさまざまなタイプがあります。
相手の家族構成や、好みをよく知っている場合には、内祝いには何がいいのかイメージしやすいです。
しかし、まだ付き合いが浅い友人の場合には、好みがわからないことがあります。
そのため、一般的に喜んでもらえそうな内祝いを選ぶとよいかもしれませんね。
「彼女には何がいいのか迷う」、なかにはこだわりがありそうな友人もいるでしょう。
そのようなときには、商品券やカタログギフトがおすすめです。
カタログギフトは、もらって嬉しい内祝いランキングでも上位の人気商品です。
友人の好みで選べるため、きっと喜んでもらえるはずですよ。
カタログギフトにはキッチン用品からスキンケアギフト、食器や日用品からこだわりのグルメまで幅広い選択肢があるので、欲しいものが見つかるでしょう。
また、好みがよくわからない友人は、一般的に人気のある焼き菓子や洋菓子系のスイーツやブランドのタオルなどを選ぶと喜ばれる可能性が高いです。
もし、小さな子どもがいるような場合には、子供が好きそうなかわいい柄のタオルを選ぶのもよいかもしれませんね。
しかし、お祝いの金額を多く頂いてしまったら、タオルだけでは少し物足りないと感じることもあるでしょう。
そのような場合には、タオルと人気のお菓子のセットにするなど工夫します。
さらに、内祝いの定番ギフトでもある洗剤のセットなども喜ばれますよ。
独身の友人で好みがよくわかっている場合には、好きなブランドのタオルセットを贈ると喜ばれるでしょう。
また、好きなお菓子をいっぱい詰めてお返しするのもよいですね。
さらに、お菓子はあまり食べないような友人であれば、お気に入りのお店のキッチン雑貨などを選ぶと喜ばれるはずです。
このように、独身や家族がいる友人などさまざまなタイプがいるときは、ひとりひとりをイメージして、相手にあわせて少し機転を利かせてみるとよいでしょう。
会社の同僚から喜ばれる内祝いは何?
産休後に職場復帰する予定の人は、職場の人たちから出産祝いを頂いたときにすこし気を遣わなければと感じることもあるでしょう。
なぜなら、産休中にはいろいろと同僚や先輩に迷惑をかけることもあるでしょうし、基本的なマナーを守らないと恥ずかしい思いをするかもしれないからです。
また、職場の先輩や部下など、関係によっては気を付けておきたいポイントもあります。
さらに、喜んでもらえそうな内祝いを贈らなければならない、とすこしプレッシャーに感じるかもしれませんね。
ある程度親しくしている同僚などから、個人名でお祝いを頂くこともあります。
その場合には、それぞれの自宅へ直接内祝いを贈るようにしましょう。
もし、所属している部署やチームのメンバー全員から連名でお祝いを頂いたときは、ひとりあたりのお祝いの金額が500円程度になる場合もあるでしょう。
それぞれ個々にお返しをするのは大変な場合は、その部署に直接内祝いを届けるように手配します。
小分けにできる大箱のスイーツや個包装されているお菓子セットなどを選ぶと喜ばれるでしょう。
気を付けたいのは、必ずメンバーと同じ数かそれ以上のお菓子を贈るようにすることです。
さらに、出産で実家に帰省しているようなときは、その土地でしか見つからない地元の銘菓を贈ると、意外性があって喜んでもらえるでしょう。
一般的に連名でお祝いを頂いたときには、お菓子を選ぶと安心です。
せっかくなので、「内祝いに赤ちゃんの名前を入れたい」と考えることもあるでしょう。
内祝いの品物では、子供の名前を刻印することが出来る「名入れ」ギフトも人気です。
しかし、内祝いとして記念品のような残るものを、会社の同僚に贈るのはあまり適していません。
相手が負担に感じてしまう可能性があるからです。
そのため、どうしても名入れをしたいときには、個別包装されたお菓子や、食品、消耗品などに限定するとよいでしょう。
たとえば、赤ちゃんの名前がラベルに貼ってあるワインやお菓子などは印象に残りますし、喜ばれる可能性が高いです。
所属している部署の人数が多く、上司や部下、同僚などさまざまな立場の人から出産祝いを頂いてしまうと、何がいいのか迷ってしまうでしょう。
それぞれの立場の人に合わせて、個別に内祝いを贈るのは手間も時間もかかります。
また、失礼のないようにするために、気を遣ってしまいそうですよね。
そのようなときには、カタログギフトです。
個別に欲しいものを選んでもらえるため、失敗はないでしょう。
カタログギフトには予算や好みにあわせて多くの商品があります。
兄弟から喜ばれる内祝いは何?
兄弟からすると、生まれてきた赤ちゃんは可愛い姪っ子や甥っ子です。
もともと仲良しの兄弟であれば、誕生をとても喜んでいるはずですよね。
また、これからもなにかとお世話になる関係である可能性も高いでしょう。
独身であったり、すでに家族がいたり、兄弟もそれぞれの状況にあるので、内祝いには何がいいかは兄弟ごとに異なるのではないでしょうか。
結婚している兄弟は、共働きの家庭だったり、小さな子どもがいたりするでしょう。
そのような場合には、実用的なものが喜ばれるはずです。
独身でも、家族がいても、喜ばれるのは高級タオルのセットです。
肌ざわりのよいタオルは、使っているだけで幸せな気持ちになります。
特に家族が多い兄弟であれば、タオルは何枚あっても助かるはずです。
また、普段はあまり購入しないような、オーガニック素材の食べ物や少し高級なジュース類なども喜ばれるでしょう。
原材料にこだわった飲み物を贈れば、健康に気を遣う独身の兄弟や、小さな子どもにも安心です。
コーヒーや紅茶が好きな兄弟には、これらの詰め合わせなどを選んでみてはいかがでしょう。
さらに、日常的に使うものも喜ばれます。
たとえば、洗剤のギフトセットであれば、子どもがたくさんいる兄弟などは日常的に洗濯物が多いはずなので、きっと助かるでしょう。
兄弟の欲しいものがよく分からない、という場合には、カタログギフトを選びましょう。
それぞれの好みに応じて、幅広い商品のなかから選ぶことができるため、選ぶ楽しさもありおすすめです。
甘い物が好きであれば絶品のケーキやお菓子などの商品もありますし、レストランギフトなど、グルメな兄弟には満足度の高い内祝いを贈ることができます。
さらに、家族全員が楽しめそうな人気のパンや、ブランド和牛、麺類などのセットなども喜ばれるでしょう。
両親や親せきから喜ばれる内祝いは何?
両親や親戚は身内なので、これからも家族ぐるみでお付き合いをすることになります。
また、親族のみんなは赤ちゃんの誕生を心待ちにしている可能性も高いです。
喜んでもらえそうな内祝いはどのようなものがあるのでしょう。
たとえば、好みの銘菓などが選べるカタログギフトなどがおすすめです。
カタログギフトには、内祝いの定番である紅白麺とお餅のセットなどもあり、幅広い商品のなかから気に入ったものを選んでもらえます。
さらに、日常使いできそうな少し高級感のある木箱に入ったタオルや寝具のセットなどもあります。
予算にあわせた素敵な内祝いを贈ることができますよ。
それぞれに赤ちゃんの名前を入れられる「名入れギフト」にするときっと喜んでもらえるでしょう。
「内祝いは何がいいかな」と迷ったら、カタログギフトを選択するのもひとつの方法です。
両親や祖父母から、高額なお祝いをもらう場合もあるでしょう。
両親は「孫が生まれてくれただけで十分、お返しはいらない」と言うかもしれません。
しかし、いままでの感謝の気持ちと、これからのことを考えると、喜んでもらえそうな内祝いを贈りたくなるでしょう。
出産記念にもなり、いつでも身近に孫を感じてもらえるように、名前入りのメモリアルグッズを内祝いにしてみてはいかがでしょう。
たとえば、赤ちゃんの名前と写真、手形や足型、出生時の体重や身長をひとつにまとめた写真立てなどを贈るとよいです。
ふとしたときに、棚に飾ってある孫の写真を見たらなごみますよね。
さらに、出生時の体重分のお米を贈る方法もあります。
お酒が好きな人がいれば、日本酒やワインのボトルに生まれた赤ちゃんの名前を刻印したオリジナルボトルの贈りものもあります。
部屋のインテリアとしてお酒のボトルを飾ってもらうのもいいですね。
赤ちゃんの名前が入った「名入れギフト」にすれば、きっと記憶に残る内祝いになりますし、特別感がでますよね。
贈ることがタブーとされる内祝い
内祝いを贈ることで、「お祝いありがとうございます。
これからもよろしくお願いします」と感謝と幸せな気持ちをしっかり伝えたいでしょう。
しかし、内祝いには適さない品物を贈ってしまっては本末転倒です。
そのため、内祝いの基本的なマナーをおさえておく必要があります。
最初に気を付けておきたいことは、内祝いの金額です。
「いつもお世話になっているから」という気持ちで、頂いたお祝いの金額よりも高い内祝いを贈るのは避けたほうがよいでしょう。
なぜなら、贈られた相手は「お祝いはいらない」と言われたように感じてしまう可能性があるからです。
そのため、高価な内祝いでお返ししたいと思っても、頂いた金額の半額くらいを目安にしておくことが大切です。
感謝の気持ちを伝えるのは、内祝いの金額だけではありません。
メッセージカードや手書きのお礼状などを添えるだけで、気持ちは伝わるものです。
一方で、内祝いの金額が少なすぎるのもマナー違反になることもあるので注意が必要です。
内祝いの相場は頂いたお祝いの半額~3分の1が目安になります。
お祝いの金額より少ない3分の1以下の金額の内祝いは、マナー違反だと考える人もいるでしょう。
このように、お祝いを頂いた人との関係にもよりますが、内祝いの金額の相場は常に意識しておくとよいです。
多すぎても、少なくても失礼にあたる可能性があります。
さらに、タブーとされている内祝いの品があるので、覚えておきましょう。
たとえば、ナイフやハサミなど鋭利な刃物は「縁切り」を連想させます。
そのため、縁起がよいものではありませんので注意が必要です。
また、別れを連想させるハンカチも、お祝い事には不向きだという考え方もあります。
「おしゃれな人に素敵な櫛を贈りたい」と考えることもあるでしょう。
しかし、櫛は「苦」または「死」などの言葉を連想させるので、避けたほうがよいです。
また、飲み物であれば紅茶やコーヒー、ジュースは問題ありませんが、緑茶や日本茶はタブーとされています。
その理由としては、法事で贈られるものだからです。
お祝い事には適しているとはいえないので注意しましょう。
そのほかにも、縁起が悪いものとして塩があげられます。
お清めに使われているので、こちらも内祝いには適していません。
靴下、スリッパなどの履物はタブーといわれるほどではないものの、足で踏みつけるイメージです。
そのため、目上の人への内祝いでは失礼にあたることがあるでしょう。
タブーではありませんが、ナマモノや賞味期限が近い食べ物を突然贈ることも、避けたほうがよいでしょう。
ハムやアイスクリームは、お中元やお歳暮などで人気の商品ですが、内祝いとしてののし紙をかけられない場合や、包装紙でのラッピングができない商品もあります。
また、保管する場所を選ぶ品物は、相手にそういった事情を聞くことが出来る間柄の場合は、先に事前に連絡してから贈るようにしましょう。
内祝いののしや包装紙の有無について、以下の記事で詳しく説明しています。
相手の立場に立った内祝いを贈ろう
内祝いをどのように選べばよいのか迷ってしまったら、インターネットの通販サイトを覗いてみましょう。
amazonや楽天市場、Yahooショッピングなど、それぞれの内祝いの人気ランキングが掲載されているので、同じように内祝いを探している人たちが、どのような品物を選んでいるのかがわかるので、参考になるでしょう。
また、贈る相手の家族構成やライフスタイルなどをイメージしてみることも大切です。
親しい友人や家族、兄弟であれば好みもよく知っているので、選びやすいでしょう。
会社関係の人であれば、それぞれの好みで選べるようなもの、カタログギフトなどが喜ばれるのではないでしょうか。