出産内祝いはいつから用意しておけばいい?
出産を控えている女性にとって、内祝いを用意するタイミングは悩ましいところです。
先に準備を済ませておいたほうがいいのか、それとも出産祝いをもらってから相手に合わせて用意するべきなのか、わからないことが多いでしょう。
まず、本来の内祝いは、おめでたいことが起こった際に近所や親せきなどに知ってもらうことや、「内々の祝い」」「身内の祝い」といった意味があり、幸せのおすそ分けとしてお祝い事があった人が親しい人に贈りものをすることを指していました。
また、関東の一部では、「三つ目のぼたもち」という慣習が残っている地域もあります。
これは赤ちゃんが産まれて3日目におこなう行事で、「赤ちゃんが産まれました」ということを近所に知らせるために、ぼたもちを配るというものです。
関東でもこの行事をおこなっている家庭は減少傾向ですので、三つ目のぼたもちをおこなうかどうか、出産前に話し合っておくといいでしょう。
もともとは、喜びを分かち合うために内祝いを贈っていたのですが、現代では「お返し」という意味合いが強くなっています。
そのため、内祝いといった場合には、実際に祝いの品をもらった人へお礼の意味を込めて渡す品を指していることが多いのです。
通常の内祝いの場合、赤ちゃんが産まれて1カ月程度経ってから渡すのが一般的でしょう。
出産後は母体に大きなダメージが残っています。
そのため、お母さんの体調がある程度落ち着く1カ月後ぐらいが目安になるのです。
内祝いの準備は、お母さんの体調が落ち着いたタイミングで用意しても構いません。
しかし、出産後に準備しようと思うと赤ちゃんの世話などで忙しく、なかなか思うように準備が進まない場合もあるでしょう。
このような事態を見越して、出産前から準備をしておく人も多くなっています。
出産内祝いの品はどれくらいの金額が目安?
出産内祝いの品物を選ぶ際に悩むのが、どのくらいの金額にしたらいいかということです。
お返しやお礼をする場合には、一般的に「半返し」がマナーだとされています。
半返しとは、もらった金額の半額程度のものを渡すことをいいます。
そのため、1万円程度のお祝いをもらった場合には、5000円程度で内祝いの品物を選ぶようにすると無難でしょう。
しかし、中には金額の張るお祝いを現金ではなく品物でもらう場合もあります。
そのケースでは、半額で返すのは大変なものです。
そのため、3分の1程度でお返しすれば十分でしょう。
たとえば、3万円程度の品物をもらった場合には、1万円前後から1万5000円程度が目安になります。
お祝いの額にもよりますが、祖父母への内祝いは3000~1万5000円程度でお返しする人が多くなっています。
親しい身内の場合には、金額よりも喜ばれるアイテムを贈ることが重要ですから、お祝いの半額に届かなくても祖父母が喜んでくれる品物を選ぶといいでしょう。
祖父母や叔父叔母、両親のような年配者からのお祝いは高額になる傾向が強いです。
その際、きっちりと半返しや3分の1返しをしてしまうのは、失礼にあたることも考えられます。
5~10万円のお祝いをもらった場合でも、1~2万円程度でお返しするなど多少少なくても構いません。
また、もらったものよりも高価なものを贈ることはさらに失礼になります。
感謝の気持ちを表したいからといって高額なものをお返しすると、マナー違反だとして気分を害される危険性があるので注意しましょう。
あらかじめ用意しておく場合の金額の目安は?
出産祝いを実際にもらってから内祝いを準備する場合には、もらった金額に合わせて品物を選べば問題ありません。
しかし、出産前にあらかじめ内祝いを用意しておく場合はどうしたらいいのでしょうか。
出産祝いは、関係性によってある程度の相場が決まっています。
そのため、その相場を基準にして内祝いを用意しておくと間違いないでしょう。
まず、友達や同僚からのお祝いの相場は、5000~1万円程度であることが多いでしょう。
あまり関係性が強くない同僚などの場合には、3000円というケースもあります。
前もって友達や同僚用の内祝いを用意しておくのなら、2000円程度、多くても3000円ぐらいを目安にしておくと無難でしょう。
いとこなどの親族の場合には、お祝いの金額は1~3万円程度が一般的です。
相場からいくと、5000円程度を目安にして内祝いを用意しておけば十分だといえます。
両親になると、5万円以上の品物や現金をもらうケースも多くなるでしょう。
相場通りに3分の1返しから半返しするのなら、2~3万円程度になります。
しかし、両親や祖父母などには、少なめのお返しでも失礼には当たらないため、1~2万円程度でも構いません。
お祝いの品は、地域や関係性によって、金額に大きな差が出やすくなっています。
そのため、想定していたよりも、もらった品物が高額だった、少額だったという場合もあるでしょう。
このような場合には、あらかじめ友達や親せきなどにカテゴリー分けしておいて、2000~5000円程度で品物を用意しておき、多くもらった人には個別で何かつけるといった方法もあります。
友達や同僚など連名でお祝いをもらったら?
出産祝いは個別にもらうものだけではありません。
友達や同僚などから、連名でお祝いの品物をもらう場合もあります。
そのような場合、内祝いはどのように選べばいいのか、渡し方はどうしたらいいのかわからない人も多いでしょう。
まず、人数や状況に応じて、まとめてお返ししても大丈夫な場合と個別にお返ししたほうがいい場合があります。
明確なルールやマナーはありませんが、少人数がまとめてお祝いを贈ってくれた場合には、個別でお返ししても負担にならないため、もらった金額を人数で割って、その半額程度で品物を用意するといいでしょう。
この際、きちんと包装をして、のし紙をかけてもらうようにします。
まとめてお祝いをもらった場合には、人数で割ってしまうと金額が少額になってしまうケースも多いでしょう。
その場合の内祝いは、菓子類などを贈っても失礼には当たりません。
あまり高いものを贈ってしまうと相手が恐縮してしまうので、簡単なお返しを選ぶといいでしょう。
正確な金額がわからない場合にも、1000~2000円程度のものを選んでも失礼にはなりません。
会社の同僚などからお祝いをもらう場合には、少人数ではなく大人数でまとめてあるケースも多くなります。
この場合、個別にお返しをするのは負担が大きいため、まとめて内祝いを贈っても構いません。
個別包装がされていて分けやすい菓子類などを、贈るといいでしょう。
もちろん個別にお返ししても構いませんが、人数で割ると数百円になってしまう場合などはまとめて贈ったほうが、もらう相手も恐縮しません。
相手に喜ばれる内祝いを選ぶポイント
内祝いは金額を相場に合わせることも重要ですが、相手に喜ばれる品物を選ぶことも大切なポイントになります。
まず、内祝いの数が少ない場合には、それぞれに合ったものを選ぶようにするといいでしょう。
人それぞれ趣味や嗜好は違います。
両親や祖父母、親せきや友達ならある程度の好みはわかるでしょう。
お酒が好きな人にはお酒類やつまみになるようなものを選ぶ、小さい子どもがいるのならお菓子類やゼリーなど家族で楽しめるものを選ぶなどすると、喜ばれます。
出産内祝いの場合には、両親や祖父母には赤ちゃんの名入りの品や写真付きの品物なども喜ばれます。
とくに祖父母は、遠方に住んでいてなかなか赤ちゃんに会わせてあげられないケースもあるでしょう。
そのようなときに、赤ちゃんの写真や名入りの品を贈ると、非常に喜んでもらえるため、写真を印刷できたり名入れができたりする品物を選ぶ、または品物と一緒に写真を同封するなどするといいでしょう。
友達の場合には、タオルなどの生活用品も喜ばれる可能性があります。
タオルなどは、自分自身ではなかなか購入しないような質の高いものを選ぶことがポイントです。
だれもが喜ぶようなものを選びたい場合には、菓子類などの食べるものを選んでおくのが無難です。
この際、日持ちするものを選ぶことがポイントになります。
賞味期限が短いものだと食べきれずにダメにしてしまう可能性がありますし、あらかじめ準備しておく場合にも向いていません。
そのため、焼き菓子やゼリーなどの賞味期限が長いものを選んでおくと安心です。
内祝いを選ぶ際のポイントとしては、普段自分では買わない高価なものを選ぶのも1つの基準でしょう。
老舗のスイーツ、お祝い用のパッケージに入っているものはおしゃれで喜ばれることが多いのです。
お祝いらしい華やかな雰囲気にもなりますから、相手への感謝を伝えるだけでなく、幸せのおすそ分けといった本来の内祝いの目的にも沿っています。
他にも大手通販サイトのソムリエアットギフトでは、出産内祝いにおすすめのギフトから人気ランキング、マナーなどを紹介しています。内祝い選びに迷ったら、是非参考にしてみてください。
内祝いはできるだけ早めに渡すのがマナー
出産内祝いを贈るタイミングとしては、赤ちゃんが産まれてから1カ月程度で贈るのが一般的な目安だとされています。
地域によっても異なりますが、これはお宮参りのタイミングです。
そのため、お宮参りするころだと覚えておくといいでしょう。
遅くても赤ちゃんが産まれてから2カ月は過ぎないように贈ることがマナーです。
しかし、産後になかなか体調が戻らない、赤ちゃんの育児に手いっぱいになってしまって内祝いを用意するのが遅れてしまう場合もあるでしょう。
遅くなってしまいそうな場合には、先にお礼だけでも伝えておくようにすると安心です。
また、内祝いの品物を贈る際に、お詫びの言葉を添えたお礼状も同封しておくと、より丁寧になります。
産後1カ月より前に贈っても構いませんが、お祝いをもらってからすぐにお返しすると、お祝いを待っていたと捉えられる可能性もあるのです。
そのため、少し間を置いたほうがいいとされています。
出産祝いをもらうタイミングがずれてしまう場合もあります。
後から出産したことを知って、お祝いを贈ってくれるケースも珍しくはありません。
すでに他の人への内祝いを贈ってからお祝いの品物をもらった場合には、その都度個別で内祝いを贈ります。
もらってから1週間程度を目安にして内祝いを準備するのが一般的です。
また、相手方に弔事が合った場合には、弔事を優先させることがマナーとなっています。
そのため、内祝いを贈る時期を遅らせるといった配慮が必要になるでしょう。
このケースでは、1カ月を過ぎてしまっても失礼には当たらないので、弔事と重ならない時期を選んで贈るようにすることがポイントです。
どうしても渡せない場合には宅配を利用しよう
赤ちゃんの世話や母体の回復などが遅れてしまって、どうしても内祝いを渡しに行けない場合もあるでしょう。
そのようなときには、内祝いが遅れてしまうことのほうが失礼なので、宅配を利用して内祝いを贈ってしまっても構いません。
近年では、結婚式の引出物を宅配で贈るサービスも増えており、内祝いについても直接渡すよりも宅配で郵送する人の割合が多くなっています。
この際、いきなり品物だけを贈るのは失礼にあたるので、お礼の気持ちなどを書いたメッセージカードなどを添えるといいでしょう。
メッセージをつけることで、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
また、遠方に住んでいる親せきや祖父母からお祝いをもらった場合にも、宅配で内祝いを贈るようにしても失礼には当たりませんので、安心して贈りましょう。
宅配を使う場合の注意点としては、きちんと包装をしてのし紙をかけ、汚れないように配慮することです。
宅配であっても内祝いののし紙は忘れないようにしましょう。
宅配の場合には、相手に事前に連絡をしておくとより丁寧です。
宅配の場合、留守にしていて受け取れず再配達を依頼しなければいけないこともあるでしょう。
あらかじめ連絡して、希望の配達日時などを確認してから贈るようにすれば、相手の手間も省くことができます。
さまざまな内祝いを販売しているサイトでは、購入と同時に発送してくれるサイトもあります。
できるだけ早めに贈りたい場合や、体調面から出かけるのが難しいといった場合にも便利なので、利用してみるといいでしょう。
内祝いのマナーは地域のルールに沿うことも大切
出産祝いの金額の目安は半返しが基本となっています。
しかし、相手によっては高額な内祝いは失礼になる場合もあるため、注意が必要です。
また、関係性だけでなく地域によっても考え方が違うため、地域や仲間内でのルールがあるかどうか確認しておくと安心です。
地域のルールなどに沿って内祝いを贈ることで良好な関係を築けますから、ルールに沿って決めましょう。