結婚のお祝いをもらったら、内祝いで感謝の気持ちをお返しします。内祝いには熨斗(のし)を必ずつけて贈らなければいけません。熨斗には、決められたルールがあります。知らないうちにマナー違反をしてしまうと、相手に失礼にあたることがあるので注意したいところです。結婚のお祝いをくれた大切な人に失礼なことをしてしまわないためにも、内祝いにおける熨斗の役割と基本的なマナーを把握しておきましょう。
最終更新日:2024年7月9日
熨斗の役割とは?
結婚内祝いに使用する熨斗について知る前に、のしの意味について解説します。
熨斗(のし)とは、もともと薄く伸ばしたあわびを干した「のしあわび」のことを指します。
長寿や繁栄を意味する縁起物でもあり、かつて貴重なあわびを贈りものに添えて、特別な贈りものであることを表していたことから由来しています。
また、水引とは、もともとは贈りものの包み紙を結ぶ紙ひものことで、目的に応じて色や本数、結び方が異なります。
慶弔どちらも本数が多い方が格式と金額が上とみられており、現在では紙にのしと水引が印刷されたのし紙を使うことが一般的です。
のしについては、のし袋やのし紙の右上に付け、祝儀のみに使用されます。
結婚内祝いはどんな熨斗を使えばいいの?
慶事に使用されるのし紙は、主に2つあります。
紅白結び切りと紅白蝶結びの2種類です。
結び切りは、二度と解けないほど固く結ぶということから、繰り返さない慶事に使用します・
結び切りの中でも、水引が10本と5本のものがあります。
婚礼関係に使用されるのは水引が10本のものなのでのし紙を選ぶときには注意しましょう。
ちなみに、水引が5本のものはお見舞いや快気祝いなどに使用されます。
結婚内祝いの熨斗の書き方は?
水引より上の部分を「のし上(または表書き)」、下の部分を「のし下(または名入れ)」と言います。
表書きの部分は、贈る目的を書きます。
結婚内祝いの場合、「内祝」もしくは「結婚内祝」と書きます。
一般的に内祝いは送り仮名をつけますが、のしに書く場合は送り仮名は必要ありません。
婚礼関係ののしで、結婚式の引き出物がありますが、引き出物には「寿」と書きます。
「寿」は一般的ではありませんが結婚内祝いにも使用しても間違いではありません。名前なしで用意する場合もありますが、結婚内祝いは、新しく家族になった二人の名前を書く方が好印象を与えますよ。のし下には、ふたりの名前か新姓の苗字のみを書きます。
意外と知らない?結婚内祝いの名前の書き方
結婚内祝いののし下には名前を書きますが、書き方は一種類ではありません。
ここでは、結婚内祝いののし下の名前の書き方について解説していきます。
連名での書き方は?
結婚内祝いののし下は、夫婦の連名を書く場合と新姓のみを書く場合があります。
「ふたりの名前を書きたい」「名字のみでいい」というように、場合によって使い分けて良いでしょう。
フルネームの連名で書く場合、新姓の名字になる人(主に男性)の名前を中央に書き、パートナーの名前を左に書きます。
パートナーの名前は、名字は省き名前のみを書きましょう。
名前のみの連名の場合は、夫婦の名前を並べて中心に書くのが一般的です。
旧姓は記入しても良いの?
結婚をしたあとにも職場では旧姓で働く人もいるでしょう。
職場関係の人への内祝いに、旧姓を書かないとわからないと思う人もいるかもしれませんが、一般的にのしには正式な名前を書くので旧姓は書きません。
どうしても旧姓を書きたいという場合は、内祝いにメッセージカードを添えてその文面の文末に旧姓を書き添えるようにしましょう。
結婚内祝いを郵送で贈る場合は、送り状の贈り主欄に旧姓を書き記すのも良いですね。
結婚内祝いにはどんな包装紙がふさわしいの?
内祝いを購入する際、さまざまな種類の包装紙から希望の包装紙を選べるところがあります。
店舗によっては、用途別でわかりやすく掲載してくれている場合もありますが、中には包装紙の柄のみが紹介されており、その中から好きなものを選べるようになっている場合もあります。
用途別で紹介してくれている場合は、婚礼関係にふさわしい包装紙を選ぶとよいでしょう。
包装紙の柄から選ぶ場合は、ピンク系や花柄、ブーケ柄の包装紙が結婚内祝いにはふさわしいでしょう。
気をつけておきたいのが、法事や香典返しに使用される包装紙は避けるということです。
同じ花柄でも、百合や菊の花がらは弔事に使用されることが多いので、「きれいだから」と言って選ぶのは気をつけたいところです。
また、出産内祝い系で使用されるおもちゃの柄やぬいぐるみの柄も、可愛いとはいえ目上の人への内祝いにはあまりふさわしくないので結婚内祝いには避けたほうが良いでしょう。
結婚内祝いの熨斗は内のし?外のし?
のしの掛け方には、内のしと外のしがあります。
品物に直接のしを掛け、その上から包装紙で包装することを「内のし」、包装紙に上からのしを掛けることを「外のし」といいます。
内のしは、控えめに贈りたい時に使用される掛け方で、内祝いなどに使用されます。
また外のしは、ひと目で贈りものの目的が分かるので、どんな目的で贈ったかがすぐに分かる状態にしたい時に使用される掛け方です。
主に御挨拶や御礼、粗品や景品などに使用されます。
結婚内祝いの場合は、控えめに贈りたい場合に該当するので一般的には内のしで熨斗を掛けますが、直接手渡しで贈るなら外のしでも良いでしょう。
しかし、のしの掛け方は地域色が強いので、住んでいる地域で使用される掛け方を確認しておくのがよいでしょう。
正しい知識を理解してマナーを守ってお返しをしよう
内祝いには、熨斗を掛けて贈るのがマナーです。
例えば、出産内祝いでは、のし下には命名した子供の名前を記載するなど、 用途によって書き方が異なります。
他にも、新築内祝い、快気内祝等、結婚内祝い以外の内祝いの場合は、 熨斗の書き方が複数あるので、どの書き方にするのか、 選んだものの正しい書き方をしっかりと把握しておきましょう。
のし下に旧姓での連名を書く人もいますが、一般的には正しくありません。
旧姓を書く場合は、のし以外の場所に書き添えるようにしましょう。
結婚内祝いは、新しく家族になった夫婦での最初の共同作業です。
正しい知識を知って、大人としてのマナーを守って感謝の気持ちを贈りましょう。